表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

3

 雨が降りしきる世界は普段の世界とは異質なもののように感じる。――などと、最近ホラーゲームの実況動画にハマっていたせいか気取った思考に耽ってしまう。


 その為か、いつもは気にも留めない空間がふと気になった。


 雑踏ビルの間、やけに薄暗い路地。室外機が先に進む者を拒むかのように空間を塞ぎ、足下にはポイ捨てされたゴミやら何やらが転がっている。


 その狭いスペースには雨風がさほど入り込まないようで、この雨の中でも影響を受けていない。その不思議なスペースには非日常感、異質さがあるように感じられた。


 ただそれだけだったら少し気を引かれた程度だったろうが、足を止めて路地を窺っていたそのタイミングで、大通りも静まりかえっていた。

 車通りもなく、歩道にも人の気配などまったくない。


 そのせいか、心のうちに平生では思いもつかない考えが頭をもたげる。


 この路地を行けば、そこにはどんな世界があるのだろう?


 その疑問に対する予測として、和風な装いの厳かな建物やあるいは寂れた洋館が頭をよぎった。完全にホラゲー脳になっていた。


 苦笑いを堪えながら、傘を畳みつつ体を路地に滑り込ませていく。


 今思えば正気でない。子供じみた冒険心だけが、俺を衝き動かしていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ