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7/9

竜王


感想評価お願いします。


私思ったんですよ、この作品今のところあらすじ詐欺ですよね。おかしい… もっとミウがグイグイいく予定だったんだけどなぁ… 正直テオ書いてるのが楽し… このあと出る予定の子も個性的でいい子達なのでお楽しみに。


誕生日で機嫌が良いので他の作品も投稿しやす。



「いってらっしゃい、パパ!」



「ああ、すぐ帰ってくる」




いつものようにパパを見送る。寂しいけど私の為だもんね… だから私はいい子に待つの。暖かい光を放っていた魔力光は空へと消え、少し冷たい風が頬を撫でる。天気は良いけど気温が低いみたい。




しかし急激に天気が悪くなる。空は鉛色の雲に覆われ、陽の光が差さないほど暗い。最後に私が覚えていたのはあまりにも大きい何かの大群だった。









ミウは一体何の竜なのか、皆目見当もつかない。というのは嘘だ。その正体は見当がついているという程ではない。確信だ、私はミウの真の正体を確信している。




正直に言おう、私はその正体から目を背けていた。当たって欲しくない、違っていて欲しい。ただ自分の気持ちだけでその姿から目を背いていたのだ。全く愚かにも程がある。度し難いアホだ。




だから、私はダメなのだ。そうやって後悔しかしていない。そして今回もそうだ。




焼き払われた森、全て灰になった木造の小屋、そして竜に連れ去られたミウ。




責めるべき要因はいくらでもある。けど結局これら全ては私の怠慢とエゴによるものだ。今度はしっかりと向き合わなければならない。







ミウがあいつの、竜王バハムートの娘だということに。







いつものように武器を背負い山を登る。奴らが飛んで行った方向も場所も全て分かっている。奇襲を仕掛けるためにこうして山を登っているわけだ。転移は転移先に魔力光が溢れるため奇襲には向かない。便利だが不便でもある魔法だ。



迷わず真っ直ぐに進む。何かあった時の為に渡しておいた魔道具、親縁の鈴のおかげだ。これは離れた位置にいる相手の方角を鈴の音で知らせてくれる。これをくれたあいつには感謝せねばなるまい。



体内に熱魔法を使い体温を上げ身体機能を上げる。敵は待ってくれないのだ。早めに仕留める、決して許しはしない。雷魔法、身体の節々から紫電が疾る。頂上まで八足と言ったところか… そしてミウに伝えなければならない。




ーー私はお前を、そうであったとしても愛していると。




閃光、先程まであった大柄な人影は形なく消え去った。その地に僅かに火と雷を残して。






ーーーーー

ーーー





浮遊感と寒気、顔に当たる雫。私の意識を覚醒させるのには十分だった。




「うっ…」




これは枯れ草?何かの巣だろうか。確か私は……そう、パパを見送って… それで……… 何とか記憶を掘り起こそうとする。




「そうだ!わたしはッ…!!」




それ以上言葉を紡がない。正しくは紡ぐことが出来ないのだ。まるで全てを見透かすような、爬虫類の鋭い眼。大きさ的には私どころかパパを丸呑み出来るであろう大きな口と牙。鈍いシルバーの輝きを放つ容貌。格段に雰囲気が違うのはその一頭のみ。他はあまり強い、というよりは知性を感じさせないような竜が何十頭と言ったところ



身体の奥から迫り上がる何か。本能的なもの、怖いや泣きたい、吐きたいとはまた違う感情。イラつく、なんかきらいとか。それに近い感情だ。心の底から嫌い。



その正体に彼女が気づくことはしばらくないのであった。




その大きな顎門が開かれる。




「ほう、これがあの竜王の娘か」



…しゃべった!パパが言ってた、人語を話せる魔物はすごい魔物だって。それに竜王?私が…?




「まだ幼すぎるな… だがまあ良い、喜べ小娘。ワシの番にし「そこから先は言わせん」何ッ!?」



いったいどこから!?パパがいつの間にか私とその竜の間に立っていた。



「偉いな、ミウ。私との約束を守ってしっかり鈴を持っていてくれたんだな」




「えへへ…」




大きな手で優しく撫でるパパ。この包まれているような感覚が私は大好きだ。




「き、貴様ッ!いったいいつ「黙れ」…ッ」



「その臭い口を開くな。私は… 俺は貴様らを許しはしない」




そう言い大剣を引き抜き魔力を流す。使う魔法は火のようだ。とても熱い炎、けどその炎は温もりを、大いなる力を感じさせる。それに私には何故かとても懐かしく感じる。だから私はこの火の魔法が1番好きだ。




竜達は空へ羽ばたく。理由など言うまでもない。少しでも間合いを、そして有利なフィールドへ。戦いの基本だ。対するゼニスは一歩も動かない。剣を構えることもせず自然体だ。



「初めに言っておこう








…俺に不用意にミドルレンジで挑むと死ぬぞ」




そう言い、大剣を片手で振り回す。最も近くを羽ばたいていた竜が2つに両断された。しかし血は一切流れない。鋭く伸ばされた炎により高温で焼き、切り口から血が出ないようにしたようだ。



「これは決して情けではない。貴様らの血をミウに見させない為の配慮だ。後悔しながら焼き斬られろ」



「グッ… 貴様らァ!!早く離れろ!離れてブレスだ!!」



「悪いがそこも俺の間合いだ。それに指示がフェイクですらないのに敵に聞こえては意味がないだろう、蜥蜴共め」



壊を地に刺し穿を構える。再び使われる火魔法。だが今までゼニスが使ってきた魔法矢と比べて大きい。ギリギリとしなり吼えたてる弓。流された魔力により弓全体には紅い血が通ったようだ。血管を束ね作られた弦に、流れるは貴きドラゴンブラッド。今すぐ喰らい尽くさんと暴れゼニスの手を震わせる。




炎矢(えんし)・転輪する龍。特別製だ、好きなだけ味わうといい」



放たれた矢は東洋の蛇のような竜で、番だろうか。絡みつくように空を動き竜達を焦がし落とす。




「こちらも特別だ」




もう一つ番られた矢。先程と比べて細く長い。しかし感じられる火の強さに違いはなかった。




「炎矢・追求の(ウソ)




再び放たれた矢。こちらはその命を奪うまで、追い続ける必殺の矢。確実に竜達の心臓を貫き絶命させる。




そんな矢に翻弄され数を大きく減らされた竜。気づけば首級しかいない。




「クソッ… これだから知能の低い下級共は…ッ!!」



「さあ、どうする?尻尾でも巻いて逃げ出すか?」




まるで見逃すかのような物言い。しかしその言葉とは裏腹に弓を構え続ける。




「もっとも… 見逃す気は微塵もない…」




三度放たれる矢。真っ直ぐ放たれるはずのそれは何故か曲線を描き竜を穿つ。




「グッ…… 貴様ァ!!よくも… よくもワシの逆鱗をッ!」



「おっと… すまないな。たまたまだ」




羽ばたき動き続ける竜、雨が降る山頂の悪天候、様々な条件がありながら逆鱗を撃つ。これは本当に偶然か、それとも必然だったのだろうか。ただ1つ言えることは生半可な技量では当たることすら厳しいということのみ。




「許さん… 許さんぞ!矮小な人間の癖に… ワシは天空の覇者、竜の王になるものぞ!!」



「御託は不要だ。とりあえず早くブレスか何かしてきてくれないか。このままではミウが寒さで風邪を引いてしまうだろう」



「こォんのクソ人間ガァァァ!!!」




翼で勢いをつけ弾丸の様に襲いかかる。そこに自重も加わり速さがと重さが上がる。それに対しゼニスは穿を置き地面から壊を抜き構え、竜に向かい飛ぶ。



真っ向からのぶつかり合い。一目見ればどちらが不利かなど言うまでもない。しかしそれを覆すのがこの男、ドラゴンスレイヤーたる所以がある。



ぶつかり合うほんの数瞬、竜はその剛爪をゼニスは壊を。重なり合う筈であった壊をゼニスは竜の手に突き刺し攻撃を封じる。




「グガァッ!!…だが… 貴様の武器は封じられた!竜の武器はこの全身ぞ!舐めるなよッ!!」




黒く深い口内、全てを噛み砕くであろう牙。ゼニスを喰らい付くさんと大きく開かれている。




「そうか… その手は何度も見てきた。故に私には効かない。それに武器を持っているのはお前だけじゃない」




目視するのは難しい絶妙な魔力操作。何もない筈の左脚に魔力が流れていく。すると鋭く研がれた刃が脚から飛び出す。



「天空の覇者か… 蜥蜴らしく天の底で這いつくばっていろ。特別に送ってやる」



新たに造られた武器、断。





『フッフッフッ… ようやく出来たぜ。ゼニスの希望通りの物がな!』



『ほう…』



『生体同期義足脚部内蔵魔導展開射突『長い』…』








『脚部内蔵魔『長い』…』







『魔導『長い』……』




『射と『こいつの銘は断だ』ちくしょぉぉ!!』








テオにより造られた刃とある人物により作られた魔導展開射突ブレード。それが断だ。壊は破壊することに特化している。無論斬ることも出来る。しかし破壊することが欠点でもあった。あまりにも大きすぎる。ゼニス専用に調整されたこれは壊れないよう硬く大きくなっている。狭いところや不用意に振れない時、そういった時の為に造られた斬ることに特化した武器だ。




踵落としのように振るわれた刃。一筋の線が引かれ赤い糸へと変わる。




「これはかなり良い武器だ。あとで報告しておくとしよう」




呑気に武器の使い心地に感心しているゼニス。絶好のチャンスであった。しかし身体は動かない。黒く濁っていた空を見ていた筈なのに緑しか視界には入らない。何百年と生きた結果大きくなった身体。そんな体の全体が時々見える。鈍くなった感覚で最期に思ったことはあっけなかった、ただそれだけ。




(これが天の底か… ワシは…首を斬られ…ていたのか…)




目の前で繰り広げられた戦い。戦いとはとても言い難い、虐殺だ。あまりにも圧倒的すぎた。それは子供を刺激するには十分すぎた、闘争を好む竜の子には特に。






パパが強いのはわかっていた。予想外だった。先程まであった妙な気持ち、妙ではあるけど嫌いとかそういう感情ではない。憧れ?ちょっと違う気がする。ただ心が惹かれるものではあった。竜としての本能だろうか、とても… とても惹かれる。




「ミウ」




「あ… パパ」



「すまなかった…」



「うん…」



「ミウ…」



「なぁに?」



「ミウは自分の正体を知っているか?」



「ううん…」



嘘、本当はもうさっき聞いている。私の正体について知っている。けどその先は言わないで欲しい。パパの友達を殺したきっかけの娘。だからきっと私は捨てられちゃう… 殺されちゃう… 幸せな生活をしたいの… だからどうか、その先は言わないで。私はパパの娘なの…




「ミウはな「…て」」



「竜王「…めて」」



「バハムートの娘だ」



「やめてよ… 言わないで… 言わないでよ… 捨てないで… 殺さないで… やだよ… いやだよ…」



「ミウ… 私はな… 最初からわかっていた」



「ぇ…?」



「外れていてほしかった。信じたくなかった。目を背けていたんだ」



「…」



「今日はこんなことが起きてしまった。私は後悔している。認めていればもっとミウの為に出来ることがあった筈だと。こんな危険な目に遭わせることはなかったと」



「うん…」



「はぁ…すまない。私はどうにも口下手でな… とりあえず私が言いたいことは1つ。ミウは私の娘なんだ、愛している。だから何も恐れる必要はない。いつものように甘えてきてくれ、ミウの全てを私は受け止める」



「……うん …うん …許してあげる。その代わり…」



「ああ…」





「幸せにしてね…」



「もちろんだ…」




血の繋がりや種族は違えど、そこには本物の親子の愛があった。



ーーーーー

ーーー






「と言うわけだ、テオ。しばらく厄介になる」



「おじゃまー!」



「何がじゃ!!家に帰れ……ないのかよちくしょぉぉ!!」






「そこから先は言わせない。何故なら娘をお嫁に貰うのは全世界のお父さんの夢だからだ」




戦闘ってほんま難しいなぁ… ちなみに鷽って赤い鳥ですぅん。秘密兵器は|DIE SET DOWN《大切断》でした。以上ですぅん。




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