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第四話

投稿遅くなってすいません!!

テストがあったせいで携帯が全く触れませんでした。

此れから通常通り投稿させてもらいます

 「一応聞いておこう」


 教室の中か出てきた俺にナイフを投擲したであろう男が口を開いた。

 雰囲気からして確実に一番厄介、しかも、トイレにいたやつとは違って自分の実力を偽ろうとしないあたりが強者の証拠だ。

 武装は腰に掛けている刀の他には見当たらない。


 「貴様が件の侵入者か?」


 「ふっ!」


 俺は刀持ちの問いには答えず、自分の左手に刺さっているナイフを抜き、一番奥にいたテロリストに投擲する。

 完全に不意をついた攻撃、しかも一番俺から遠かったということもあって、油断が生じていたであろうテロリストはこの一撃でダウンさせる予定だった。

 だが、


 「その反応は是と取るぞ」


 男の左をナイフが通った瞬間、ナイフが切断された。


 「チッ!」


 ある程度予想できていた結果に舌打ちしながらも、構えていた鞭を廊下の窓の外へと打ち放つ。


「血迷ったか……?」


血迷ってなどいない。

近くの窓から鞭を走らせ、刀持ちの後ろにいたテロリスト近くの窓を割りながら叩きつけ、一人を吹き飛ばす。

 これで残りは五人だ。


 「生意気な」


 俺が鞭で一人吹き飛ばしたのと同じタイミングで刀持ちが距離を詰めてきた。


 「あんたみたいなのに言われんなら誉め言葉だ」


 俺はそれを見ながら一歩後退し、腰に掛けていた銃を右手で取り出す。

 そのまま鞭を離し、空いた左手に持ち替えて構え、間髪入れずに総射する。


 「む!」


 銃を隠し持っていたことと反撃されることを予想していなかった刀持ちは堪らず後退する。

 俺はその一瞬の間に右手に剣を持ち、迷うことなくそれを()()した。


 「は? ぎゃあっ!?」


 「なっ!?」


 今度投擲した剣は刀持ちの横を通過し、その後ろにいたテロリストの一人を昏倒させる。

 残るは四人、俺がそのまま次の行動に移ろうとした所で、


 「調子に乗るなぁ!」


 「くっ! 邪魔!」


 俺の後ろにいたテロリストが棍で横から殴りかかってきた。

 左腕に鈍い痛みが襲ったが、何とかその場に踏みとどまり、攻撃をしてきたテロリストの鳩尾に裏拳を食らわせる。

 そのままよろめいたところに追撃の蹴りを入れ、確実に意識を飛ばす。

 これで残るは三人だが、どうやら一筋縄ではいかなさそうだ。


 (あちらさんも本気になったか)


 刀持ちの方を見ると、怒りの感情を溢れさせながら右手に何か札のようなものを持っている。

 俺はあれが何かを知っている、トイレにいた男の話によると、あれは『結源符』とかいうやつだ。

 


           ★      



 「いいかぃ、王里君。 これから君が他のテロリスト達と戦うって言うなら一つだけ注意しないといけないことがあるよぉ~」


 「それは、俺っちみたいに雇われた連中さぁ」


 「単純な戦闘になれば君が勝つだろうねぇ、だけど俺っち達は雇い主から“ある特殊な道具”を預かった」


 「道具の名前は『結源符』、文字どうりこの結界の源になってる札さぁ」


 「これがすごい代物でねぇ、結界内で吸い上げた『霊力』を札の枚数に分割して札の中に蓄えるんだ」


 「だからぁ、その札を持っている奴はこの結界の中でも霊力が使える」


 「俺っちの他に雇われたのは二人。 一人は俺っちみたいにその辺をうろついてるだろう剣客みたいなやつ。 もう一人の方はどっかの教室に居座ってるただの脳筋」


 「片方は人質を使ったりしないけど、もう一人は小物だからねぇ。 おそらく厄介なのはこっちの方だと思うよぉ」



           ★



 「もう手加減はせんぞ小僧、これ以上味方を使い物にならなくされても面倒なのでな」


 そう言った刀持ちの札が光を放ちだし、床には幾科学的な模様が浮かび上がる。


 (霊力が使えるってことは・・・そりゃ()()よなぁ)


 『決意者』は自分の霊力を媒介にして、『理解者』を『まだ知らぬ異世界(アストラル)』から現世に召喚することができる。

 理解者とは、決意者と契約を結んだアストラルに存在している不思議な生命体のことだ。

 理解者は桁外れな力を宿しており、人間ごときがまともに戦える相手ではない。

 本来なら理解者同士が戦うのが戦いの定石というものだが、俺の理解者は()()な上に今は側にいない。

 つまり、俺の今の状況は圧倒的不利になったというわけだ。


 (さて、何がくるか)


 「我は喚ぶ(サモン)。 来い、絡繰蜥蜴!」


 そう刀持ちが叫ぶと同時に、床に描かれていた模様から何かが飛び出した。

 それは体長三メートル位の大きさで、眼球と思われる部分をギョロギョロさせている。

 機械の体をしており、蜥蜴のようなフォルムをしているそれは間違いなく、


 「機甲型か」


 「左様、これぞ我が同胞。 名を絡繰蜥蜴と言う」


 刀持ちは召喚した蜥蜴に俺に手を向けながら指示を出した。


 「行け、奴を始末するのだ!」


 「グロロッ」


 現れた蜥蜴は鳴き声の様なものを発しながら俺に向かって突進してきた。

 俺は試しとばかりに蜥蜴の目に向かって銃を撃つが、やはり結果は弾が弾かれるだけで効果はなかった。

 顔が間近に迫った辺りでジャンプして突進を避けようとすると、


 「絡繰蜥蜴、【睨む】」


 「グロッ」


 「やべっ!!」


 刀持ちがそう指示出した瞬間、俺を見ていた蜥蜴の眼が光出した。

 まず間違いなく機甲型の特徴の【光線】だ。

 機甲型は決意者の霊力を光線のエネルギーに変換し、対象に向けて放つことができる。

 威力はそこそこなもので、変換される霊力量によっては地面に大穴だってあけることができる。

 食らえば一発でダウンするのは目に見えている攻撃。 

 俺は慌てて蜥蜴の尻尾部分に鞭を巻きつけ、鞭に思い切り力を込め、そのまま鞭を後ろに引っ張る要領で尻尾部分まで飛ぶ。

 攻撃の対象を見失った蜥蜴はそのまま俺がもといた空中に向けて光線を発射した。


      ボゴンッ!


 結果的に天井に直撃した光線は天井を破壊してから霧散した。


 (しまった! 上の階にはまだ生徒が居るって言うのを失念してた!)


 蜥蜴の胴体部分に着地した俺は破壊された天井を見て青ざめた。

 これでもし誰か被害を受けていようものなら後で春風に何を言われるか分かったもんじゃない。

 戦闘中だと言うことも忘れ、埃が晴れた天井を見ていると、


 「おい! いきなり何しやがる!?」


 穴が開いた天井から声が聞こえた。

 その声に刀持ちは煩わしそうにしながらも「交戦中だ」と応えた。


 (ッツ!! この声、間違いない・・・通信機から聞こえてた奴と同じだ)


 声の主に刀持ちがそう応えた瞬間、俺は自分でも不気味なくらいニタリと笑い、刀持ち達を飛び越えて一直線に階段を目指した。

 俺のその行動に一瞬呆気に取られた刀持ち達が隙を作る。

 その間も俺は加速し、階段まで一直線に進む。

 一番始めに気を取り戻した刀持ちが蜥蜴に何か指示をだそうとするが、


     パチンッ


 それよりも一瞬早く俺は一つ指をならした。

 すると、先程まで俺がいた空間に小規模な爆発が起こり、刀持ち達が諸に爆破の直撃を受け、吹き飛ぶ。

 結果は見ないまま、俺は二階へと進んだ。 

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