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08 ギルドの外に

「雑貨屋って何を置いているんですか? 行ったことが無くて」


『ここでの仕事も終わりなので、良かったらお店にどうですか?』

 大変ありがたいんですけど黄色線があって出られないんですよねえ。伝わらないと思うんだけどね。


「実は私は冒険者ギルドから出られないので、ちょっとお店に寄ることが出来ないので」

 私の説明に、何言ってんだコイツという感じの視線が……。


『ああ誰かと待ち合わせですか? それなら仕方ないですね。ぜひ今度お立ち寄り下さい。え? 品揃えですか? 雑貨ですから生活に必要な物から生活を豊かにするものとか、冒険者の方であれば回復ポーションの瓶が馴染みが深いんじゃないでしょうか』


「あの回復ポーションの瓶を大量に用意したいと思っているんですが、それって簡単にあるいは、お安く用意する事が出来ないでしょうか? 実はあそこでうなだれているおばさんが……」


『なるほど。それなら私も協力してあげたいですね、ガラスの材料が大量にあればまずはガラスを、その後ガラス瓶の製作ですね』


「あっでも、薬草も大量に必要でいま手持ちが二百七十個しかなくて、後百三十個は必要なんですけど、スキルLVが足りないのでもっと必要になるかも」


『とりあえず瓶を用意してから考えますか、瓶が安く用意出来れば他の材料は何とかなるかも知れないですし』

 シャルロッテさんの会話の直ぐ後に、ウインドウが表示された。


『ユニーククエスト:“困っている人を助ける人を助ける優しいシャルロッテさんに惚れたらだめだぞ、それNPCだから”を受けますか? “はい” “いいえ”』


 ……なんだろうこの運営は。気にしても仕方がないので“はい”を選択してシャルロッテさんとPTを組むと、ギルドの出入り口から黄色線が消えた。


『早速、素材集めに行きましょう』

 シャルロッテさんの後についてギルドの外に出て町並みを見る。例えるなら開拓村だろうか、ギルドは立派な建物だけど、それ以外は一階平屋建ての建物が多いな。ここがメイン通りなんだろう複数のお店が見える。通りは土でところどころデコボコしている。

 ヨーロッパの石畳のような街並みかなと思ったんだけど、ファンタジーならこんな感じかな。ちょっとキョロキョロしてたらシャルロッテさんが少し先に行ってしまったので軽く走って追いかける。


 町の外れには門があり、今は開いているけど夜になると閉まるそうです。夜間は小さな出入り口から入れるので遅くなっても大丈夫との事。



『町の外はモンスターや獣が襲ってくることがあるから油断しないでね。この辺で多いのはオオカミとゴブリン、オーカー、大鷲、イノシシ、フロッガ、イモリン、ヤモリン、タモリン、マグマ、テナザル、ヘルミーアキャット、追剥、サンシキヘビ……』


「ごめんなさい、覚えられません」

 全然知らないモンスターの名前を言われても全然分からないし、そんなに大量のモンスターを言われても暗記出来ません。とりあえずシャルロッテさんの指示に従って行動することになった。私は覚えた魔法を使ってみることにする。


「ファイヤーエンチャント」

 ターゲットは自分で、いつものごとくあっさりとした魔方陣が表示されてロックオンされたので発動させる。持っている杖が木の杖の先端部分が火に覆われている、そう、違和感たっぷり。燃えて杖が炭に成っちゃうんじゃないの? しかし直ぐに火が消えて自分の名前やステータスが表示されているところに、ファイヤーエンチャントが掛かっている事を示すアイコンが表示されている。


 良かった燃えて無くならなくて。ウインドシールドと軽足も使ってみる。私の周りをつむじ風がクルクルっと吹いた。足首辺りに風がまとわりつくエフェクトが付いて消えた。まあどれもあっさりしたエフェクトだな。でも発動に1時間かかるとかだったら面倒だからこっちで良いけど。シャルロッテさんにも同じ魔法をかけておく。



 道にそってしばらく歩いているとイノシシが見えた。あれなら私でもやれるのでお互いの実力を把握するために倒してみることにする。


「ファイヤーアロー」

 今まで届かなかった遠い距離のイノシシに届いた、随分射程が長い魔法だな。効果は相手に刺さると動きが鈍ることが稀にあるらしい。なので遠くの敵を攻撃してヘイト(敵愾心)を集めて、敵を呼び寄せるのに向いているようだ。PTプレイで遠くの敵を呼んで移動せずに戦うなんてのが出来そうだな、あんまり関係ないけど。

 近づいてきたので、ファイヤボールとウインドカッターを交互に撃ち込みこちらに来る前に倒した。


『結構強いのね、でも魔法をそんなにいっぱい使ってMP切れにならない? 行きだけじゃなくて帰りもあるし、突然襲われることもあるから常に余力を持って行動した方が良いわ。特にPTを組んだ場合は死に戻りするとPTメンバーを危険にさらす可能性があるわ』

 なるほど今まで一人で戦ってたからその辺の配慮が欠けてました、ありがとうございます。


 オーカーが穴から出て来たので今度はシャルロッテさんが戦う事に。手には大型の鉈? 無骨というかかなり使い込まれた感じだ。

 ダッシュで近づき相手が構えるより先に手首にヒットし、オーカーが武器を落とした。直ぐに右斜め上から顔に向けて鉈を振り下ろす。相手は防ごうと腕で顔を守ろうとするが、容赦なく何度も何度も鉈を振り下ろし相手に攻撃する余裕を与えない、そしてポリゴンになって消えていった。


『どうでした? 結構私もヤルでしょ』

 笑顔で話しかけてくるんだけど、戦いの興奮からか目がちょっといっちゃってる感じで、手元にある鉈を持った状態だから、凄くそのコワイデス。それにヤルって意味が違う気がする。とりあえずウンウン頷いておいた。


 私もオーカーと戦闘してみたけど受けるダメージが一割程度減って、与えるダメージが一割位増えている感じかな。それと少しだけ避け易くなって、歩いたり走ったりするのが早くなった気がする。効果が大きいか低いかは分からないけど、無いよりマシだし覚えてよかった。


 そういえば空を見上げると鳥が飛んでいる、アレが大鷲らしい。ターゲット出来たのでファイヤーアローを叩き込むと怒って向かって来た、一直線に高い場所からの急降下攻撃である。魔法は間に合いそうもないので、杖を上に突き出す。

 差し出した杖に自ら突っ込んできた、余りの衝撃で杖を落として僅かながらダメージを喰らった。大鷲は直ぐにポリゴンになって消えた、ええーマヌケだ。他の大鷲にも試してみるがやっぱり同じだ、愚直と表現しておこう。


 ドロップは大鷲の羽、鶏肉、爪だった。羽は良いよ、うん、大鷲の名前付いてるから。鶏肉って範囲広すぎだろ。爪に至っては種族超えてスタックできそうじゃんなにそれ。でも敵に応じてドロップがバラバラになったらスロット枠が幾らあっても足りないか。


 ついにポシェット枠がいっぱいになってしまった。これはお金の力で解決しよう、課金ショップのアイコンを開く。妖精が出て来て目の前にショップウインドウが表示される。

『いらっしゃいませ。妖精のお店にようこそ。お勧めのアイテムはトップのお勧めタブに表示されているよ、消耗品、ガチャ、ファッション、全てのタブに分かれているから、欲しいものを選んでね』


 お勧めを見ると、ポシェット枠*十枠追加:三百ドラ(日本の円と同額)、ポシェット枠*百枠追加:二千七百ドラとなっている。百枠も必要か分からないけどまとめて買うと安くなるなら、こっちかなー。あとでどうせ欲しくなると思うし。


 経験値取得UP及び熟練度UPのスクロールや装備、武器ガチャ、防具ガチャがあったけど、そっちはなんかずるっぽい気がして手を出さないでおく。


『ここがガラスの素材の採集ポイントよ』

 ちょっとした林を抜けると、広い砂場と大きな山というか崖というか、そこらじゅうで採集ポイントを示す青い光があった。

更新が遅くなりました。週六日働いて会社に十三~十四時間位いるので書く余裕がありません。

なので、頻度が遅いですが良かったら引き続きよろしくお願いします。

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