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06 フラグゲット?

10/28 レシピ「矢じり」設定でしたがそれは誤りで、「矢」に変えました。

矢じりだけあっても撃てないよね。

 クエストボードまで移動しクエストを眺める。ヒポ草納品やゴブリン討伐など、もっと低レベルなら凄く嬉しいクエストがあったが、LV七となった今ではあんまり美味しくなさそうなので、ちょっと損した気分だ。


 採集や動物を倒して多くの素材がある。クエスト報告、素材ショップに店売り、生産で消費、どうするのが一番お得か確認しよう。素材ショップでは、ヒポ草は十G、ポク草は二十G、上ヒポ草は五十Gで売れて、逆にお店で購入する場合は四倍の価格になっている。これならクエストで報告した方が店売り以上のGが貰えるし、経験値も入るから店売りの案は無いな。


 さて、いよいよ生産のチュートリアルだけどまずは薬学かな。生産部屋のレンタル料が一時間千G、結構お高いのですね。それと生産にはレシピが必要で、所持していないとスキルがあっても作成出来ない不思議仕様。初級薬学と鍛冶のレシピがそれぞれ二千G。手持ちは四百二十Gしかないないので作れません。


 うーんどうしようかなと。ウサギの皮と肉、イノシシの皮と肉と牙はクエストの納品にはなっていない。という事は店売りしても良いかもだけど、皮と牙は鍛冶のレベル上げに利用出来そうだし、肉だって料理のスキル上げに使えそうだから、プレイヤーに販売したら店売り価格より高く売れそうだし。


 クエストで報告するとしても絶対薬学で利用しそうな素材が多い。そう考えると生産スキルのLV上げで損するかも。貧乏性なので損するかもと思うと中々踏ん切りがつかない。効率を考えれば多少の損をしても売ったり、報告に利用すべきなんだろうけど。


 結局イノシシの肉を三十個販売して六千の利益を得てレシピ二冊を購入。早速薬学のレシピを読んでみる、スキルレベルに応じて五個のアイテムが作成出来るらしい。

 LV一:薬草、LV二:毒消し、LV三:HP回復ポーション、LV四:SP回復ポーション、LV五:上薬草、が手持ちの素材で作成出来るんだけど、ポーションだけは別途ガラス瓶が必要らしい。ゲームなんだから瓶も自動で用意してくれてもいいのに。ガラス瓶は素材ショップで百Gで売られていたので必要になったら買うかな。


 鍛冶のレシピの方は九個のアイテムが作成出来る、LV一:銅、錫、LV二:青銅、石器武器、LV三:基本武器の製造(剣、槍、弓、鈍器、矢)。LV三で作成出来る武器の素材は指定が無く、手元に素材があるとその素材に応じた武器が作れるらしい。素材ごとにレシピが必要になったら面倒だし、それだけでポシェット枠を圧迫しちゃうしな。

 でも素材から作る必要があるのか、銅鉱石なんて在庫五個だし 錫石なんて持ってないし、LV上げなんて無理じゃね? 素材ショップで買っても良いけどお金無くなっちゃうよ。

 

 ちょいテンションダウンしてながら、NPCをボーっと眺める。何人ものNPCがギルドに出入りしたり、生産施設を利用したり、クエストボードを眺めてみたりしている。

 そういえば普通のRPGなら村人全員に話しかけるよな、何か有益な話があるかも知れない、一人一人に話しかけてみる。


『走るよりも歩いた方が、歩くより座った方がHP、SP、MPの回復が早くなるよ』


『ポシェットは一枠千個までスタックして保存出来るよ』


 多少のためになる話と大半がどうでもいい話ばっかりだが、諦めずに全員に話しかける。中年男性が椅子に座ってうなだれているのが見えた、あの人には話しかけてなかったかも。


「こんにちは。大丈夫ですか?」


『ああ、こんにちは。ありがとう大丈夫ですよ、でも無いか……』

 顔を上げて笑顔作って答えたけど、すぐに顔が曇っていく。


「何かお困りごとですか? お役に立てるか分かりませんが」


『ありがとう。実は今日納品する予定の毒消し百個をモンスターに倒された時に落としてしまって。とはいえ納品しないと信用に関わるから、でも店売りの毒消しを購入するは二万G必要だけど手元には八百Gしかない。かといって、手持ちの素材を売りに出すとしても錫石百個と銅鉱石百個しかなくて、両方売っても一万Gにしかならない……』


 なるほど困っているのは良く分かった。一応イノシシの肉が三百個はあるからショップで売れば六万Gになる、なるけど見ず知らずの人にそこまでする義理は無い、かわいそうだけど。

 んっ? まてよ、錫石と銅鉱石を普通に買ったら四万だよな。ポク草二個で毒消しが一個作れるから、四千Gとレンタル料千G、合計五千Gの元手で四万分の素材が手に入ったらお得かも。


「あの、手元にポク草があるのでそれを毒消しにして百個お渡ししますので、代わりに錫石と銅鉱石をいただき……、あ駄目だ」


『えええー、助けてくれるのではないのですか? 何か問題でも……』

 椅子からガバっと立ち上がって、私の両手をがっちりつかみ下から哀願するように目をウルっとしながら見つめてくる。なんでオッサンなんだろう、美人NPCがお約束な気がするんだけど。


「すみません。いま薬学のスキルLV一なので毒消しを作るにはLV二が必要なので、素材はあるんですけどね」


『じゃじゃじゃじゃ、これ、これ使って下さい。薬学LV+一(プラスイチ)の指輪です。私は今SP回復待ちなので生産出来ないですしレンタル料も無いので。あっ貸し出すだけですよ』


『ユニーククエスト:“踏んだり蹴ったりの中年おじさんに優しく手を差しだし、ラブラブフラグをゲットする”を受けますか? “はい” “いいえ”』

 ナニコレ、手伝ってあげたいけど凄く嫌なクエスト名なんですけど。でもかわいそうだし、鍛冶スキルもLV上げしたいし、流石に十八禁のような展開には成らないだろうから受けることにした。


『ありがとうございます! よろしくお願いします』

 頭を凄い勢いでペコペコして大声で感謝してくれるのは良いんだけど、周りのNPCから何事かと注目を浴びているこの状況はちょっと。

 レンタル料を支払い、薬学LV+一の指輪をはめて逃げるようにレンタルルームへ入る。結構広いな八畳位ありそう、鍛冶も調理も縫製も出来そうな設備が整っている。部屋の中央にある大きめのテーブルにヒポ草とポク草を出す。


『作り方を説明するね。まずは薬草の作り方だけど、そこのすり鉢の中にポク草を二個入れて、すりこぎを持つとバーが表示されるよ。赤が失敗、青が成功、バーの間を△が左右に動くから成功の個所で力を込めて、SPが消費されて薬草が完成するよ』


 指示された通りの作業を行うが、バーには青しかないんですけど何で?


『薬草は絶対に失敗しないよ。必要なスキルLVが高いもの程、失敗の確率が増えるよ。自分のスキルLVより一つ上までは作成にチャレンジ出来るけど、失敗しやすくなるよ』


 なるほど。実際にやってみると大成功となり薬草が二個出来た、経験値は四*二で八だ。熟練度は三*二で六だったので称号の効果で経験値が多いのだろう。調子にのって薬草を作っていたら残り後十分というメッセージが表示された。毒消しを作るの忘れてた、残り時間だけではどうせ間に合わないのでレンタルルームは延長し、素材は全て薬草にしてしまう。


 毒消しも作り方は同じでなので繰り返すが、毒消し一個で経験値が六と熟練度が五入った。自分のスキルLV以上の物を作成するとボーナスがあるらしい、ウッマー。

 あっという間に薬学のスキルLV二にあがった。一時間ちょいで上がるスキルってなんなの? 効率が良い事にケチをつけるのもあれなので、気にせず毒消しを作りまくる。



『確かに毒消し百個あります。ありがとうございます、大変助かりました』

 中年のおじさんが何度も頭を下げている、指輪は当然返しました。効率的に薬学LVが上がったし、錫石百個と銅鉱石百個も入手できたし、まさに情けは人の為ならずだな。


 ちなみにローレンツ(中年のおじさん)とラブラブフラグが立ったような気はしませんでした。何だったのかな、あのクエスト名は。

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