表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
腐男子御曹司の彼  作者: 一条由吏
第1章 最終面接
5/40

4.腐女子なら一度は質問してみたい

「ったく。当分は二重生活を楽しむ予定だったってのに全ておじゃんかよ。」


 この喋り方が素らしい。


「二重生活って。私で遊ぶつもりだったんですね。」


 キヒロ先生には鬼束家具での1次試験や2次面接の様子をSNSのグループアカウントで伝えていた。


 どんなシチュエーションが好物だとかも知っているから、総務部長とのやりとりとかもきっとワザと見せ付けたのよね。


「うん。ゴメンな。まさか鼻血まで出すとは思わなくて。楽しんでくれた?」


 ええ、ええ。楽しみましたとも。面接中に妄想に耽るほどにね。


「いつから、私のことが解っていたんですか?」


「応募して直ぐだな。この佐藤の推薦枠に入ったからな。」


「推薦枠?」


 推薦枠なんてものがあったのね。


 それは思いつかなかった。


 この女性のジャンルとは全く相容れないと思ったから、殆ど交流しなかった。


 精々がSNSを交換したくらい。


「そうだ。事情を知っている腐女子のお姉さま方には布教して頂いているんだよ。同人仲間とか、女性のお客様とかにな。だから応募書類の写真は一通り目を通して貰っている。」


「何故、腐女子(わたし)たちを引き入れようとしてるんですか?」


「イケメンはどんな女性も肉食女子にしてしまうんだ。唯一、腐女子だけがイケメンを鑑賞物として扱ってくれる……と最近まで思っていたんだ。」


「違うんですか?」


 イケメンは鑑賞物だ。特にここみたいにカップリングで萌えれるならば、そっと見守りたい。


「さあ。腐女子も25歳を越えると焦るらしいな。BL2次オタクが特に顕著で折角用意したノンケの男性社員を食い散らかしてくれるんだよ。だから今、力を入れているのはBL創作女子だな。」


「ノンケって……キヒロ先生って……ゲイなんですか?」


「自分でもわからん。世の中のノーマルから逸脱しているのは分かるんだが、今風で言えば腐男子かな。昔はそれすらも無くってゲイ扱いされたな。」


 ゲイに興味を抱く男性・・・確かにノーマルとは言いがたいかもしれない。けれどLGBTという言葉が一般的になり理解される今の世の中でそんなことを言えば差別主義者と見なされる。


 通用するとしても一部のノーマル男性の中だけである。


「腐男子ですか?」


 BL商業誌作家というだけで十分その資格はある。


 でも世の中で使われている腐男子と目の前の男性が一致しない。


 BL漫画の読み専でも腐男子なんだもの。


 街を歩く男性を見て妄想したりしないし、女性なら単なるBL漫画オタクと言ったところ。


 SNSで交流したキヒロ先生の妄想力は腐女子のソレに近い。いや上回っているかもしれない。


「腐男子と腐女子の違いって何か分かるか?」


「男と女という以外にですか?」


「いや、それで合っている。俺は男だからBLを実践・検証できるんだ。君にはできないだろ。」


 昔のBL漫画の大御所は編集者や旦那にハッテンバと呼ばれるゲイたちが集まる場所に潜り込ませたという。


「実践してるんですか?」


 それじゃあ、やっぱりゲイ?


「まあ、そう興奮するなって。また鼻血が出るぞ。」


 思わず乗り出して聞いてしまっていたみたい。苦笑いをされてしまった。


「そうだ。まずはニューハーフのショーパブからだった。」


「ニューハーフのショーパブ!! 行ってみたい!」


「ああ君が入社するなら、歓迎会で連れて行ってあげるよ。」


 キヒロ先生は少し寂しそうな顔をする。


「もしかして、私が入社を断ると思っています?」


 それはありえない。たとえキヒロ先生に一生遊ばれるとしても逃したくない職場。


「うーん。5分5分ってところかな。本当は入社後、後戻りできないところまで来てから、全てを話すつもりだったんだがな。失敗したよ。」


「酷いですね。」


 なんだよ。後戻りできないところって、聞いてみたいぞ。


「まあな。話を続けるぞ。……ニューハーフ相手ならキスは平気だった。でも、それでゲイか? 違うだろ。BLの枠にも入らなさそうだしな。」


 過去には、そういったBLもあったらしいが性同一性障害という言葉が根付いてからはBLでは扱えなくなってしまった。


「私的には違うと答えておきます。でも後で詳しく聞かせてくださいね。」


「おいおい。食いつきがいいな。やはり萌えるのか。」


 トランスセクシャルとゲイは全く別物と頭は分かっているけど、萌えは全く別次元なんだよね。


 綺麗な男と綺麗な男が絡んでいればそこに萌えは発生するものである。

腐女子なら一度は「貴方はゲイなんですか?」と質問してみたいものですよね。

実際にそんなシチュエーションにぶつかることは全く無いけど。

もしそんな機会があっても『ホモ』は使わないでくださいね。

使ったら腐女子の偽物扱いされること必至(笑)


ブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ