プロローグ
小説家になろう×スターツ出版文庫大賞。
青春恋愛小説部門。
『非日常の世界を垣間見られる』作品を目指して改稿(怪稿?)を進めています。
新章の追加はその一環となります。
応援よろしくお願いします。
「『ハラスメントの社内規定』ってそんなものも、あの大きな会社に無かったの?」
キヒロが以前務めていた会社の社長から依頼があったらしい。グループ総資産数千億を越え、会社単体でも1000名以上の従業員数を越えるあの会社に無いなんてありえない。
「何度と無く作成委員会を社長が立ち上げたんだが、従業員たちの反対多数で却下されるんだ。それで社外に居る俺が作成したもので押し通すことにしたらしい。」
却下?
「ちょっと待って。社内規定に従業員が反対できるの?」
社内規定って意見を言うことは出来ても盛り込まれるか否かは経営者の一存だと思っていた。
「もちろん社長が押し通すことは可能なんだ。だが事前に広報で告知して社内の意見を聞くのが慣例になっているんだ。大抵の社内規定は反対意見も出ずにそのまま通ってしまうんだが、ハラスメントに関してだけは全社員の99パーセントから反対されてしまう。社内に居たころは面白がっていたけど、このままじゃ社長が可哀想だから一肌脱ぐことにしたんだ。」
「なんで社長が可哀想なのよ? まさか…。」
「そう大抵のハラスメントを受けるのは社長だからさ。ストーキングだろ。うっかりと2人で面談なんかすると、露出度の高い服を着てきてドキマギさせてきたり、通りがかりに身体を触ってきたり、抱きついてきたり、外部でヴァーチャルリアリティに接続したときに犯されそうになったり、大変なんだそうだ。」
確かに他所から見ている分には楽しそうだ。あの社長のことだから、その中には男性従業員も含まれているに違いない。これだけで1編のBLが描けそうだ。
「後で詳しく教えてね。ヴァーチャルリアリティ中にエッチできるの?」
私も利用しているが意識は完全に入り込んでいる。肩を叩かれても気付かなかったことなんてザラにある。
「……ったくリアル腐女子め。仮想現実の中の話じゃないぞ。意識が仮想現実に入り込んでいても、男の身体は勝手に反応するからさ。エッチできるんじゃないかな。」
BLではノンケが嫌がりながらも身体が勝手に反応してしまい。男に反応してしまったという嫌悪感で自分からノンケだという意識を失ってしまい最後の一線を越えられてしまう風に描かれているものね。
でも最近気付いたけど、身体が反応してもそれに関係無くバックバージンに力を入れ続ければ指も入らない。多分オイルを使ってやっと指の先っぽが少し入るくらいかな。事前に準備もせずに衝動的にノンケを犯すというのは無理があるみたい。
「今度、試してみてもいい?」
キヒロのバックバージンは私が貰った。何処が感じるかも知っているから、あまり参考にはならないかもしれないけど。
「俺でか。勘弁しろよ。」
「えー。バリタチにヴァーチャルリアリティ中に犯されるノンケのBLを描こうと思ったのにぃ。」
LGBTとハラスメント。
LGBTが被害者になった場合のことは想像できるけど
加害者として訴えられた場合が全く想像出来ませんでした。
下手に加害者扱いすれば、それが差別になってしまう。
そこでイロイロなケースを想定して当事者に取材してみました。




