4.腐女子は転ばせるのがお得意
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「ゆりは同じ大学の2年後輩で俺の友人の渡辺謙一と付き合っていたんだ。」
ケンイチと言えば、キヒロのデビュー作の主人公の名前。おいおい男友達2人の名前でBL漫画を描いたんかい。
「ああよかった。円ちゃんがキヒロの子供なのかと思ったじゃない。」
血液を提供している最中、ずっと頭がぐるぐるしていた。どんな結末が待っているのかドキドキものだった。
「いいわけないだろ。初めて兄貴の家族を紹介されたときには驚いたのなんのって。しかも円ちゃんの顔は友人にソックリだったんだから。」
それは驚くしかない。私はキヒロの頭を掻き抱いて撫でてあげる。人の秘密って重いよね。
「そのときには、もうお義兄さんは自分の子供じゃないことを知っいたんですか?」
「ああ、結婚する直前に告白されたそうだ。彼女の父親はケンイチの命が残り少ないと解ると間をあけずに嫁ぎ先を決めてきたそうだ。」
ゆりさんも亡くなったキヒロの友人どちらもツライ。親にしてみれば世間体が悪かったんだろうが酷いことをする。
それ以上にお義兄さんはもっとツライ。自分の子供だと真剣に思っているからこそ、子供を叩いて叱っているのだろうが、今も迷っているに違いない。
「お義父さんたちは知ってらっしゃるの?」
「多分、知らないんじゃないかな。特に本妻さんが知っていたとしたら、とっくの昔に別れさせられていただろうな。」
まあキヒロの友人に似ているというのはキヒロたちしか知らない情報だし。あれっ。
「じゃあ、裕子さんたちにはバレバレよね。なんで、あんなに高圧的なの?」
キヒロたちやお義兄さんには弱味を握られているも同然なのにまるで敵対するような。
「ああ、あれな。元からの性格だぞ。聡子の言動もあそこから真似してるからな。俺らは別に何とも思わないけど。お前をクビにするというのも、本気じゃ無かったらしいぞ。」
なんだそれ。
「じゃあ、私。仕返しし過ぎているじゃない。謝ってこなきゃ。」
「お前、無駄なことするなよ。あの性格に謝るということは、暖簾に腕押し同然なんだぞ。」
そんなに酷いの?
「それにゆりが俺に怒っているのも仕方が無いんだ。ケンイチの名前を残しておきたくて、BL漫画の主人公に使ったからな。」
「えっ。黙って使ったの?」
「ケンイチには言ったし製作も手伝ってもらったんだが、自分の彼女が見るとは思わなかったんじゃないかな。それにゆりも同じ漫画研究会なんだが、BL嫌いの正統派創作女子なんだ。」
えっ。
「腐女子の天敵じゃないですか。ほとんど絶滅危惧種ですけど、まだいたんですね。」
「なんだそのニヤニヤ笑いは。」
「いやよいやよも好きのうちってね。あれって転ばせるのが楽しいですよね。」
「……今一瞬、梓の友人たちに同情してしまった。しかし、ゆりは筋金入りだから難しいと思うぞ。」
「大丈夫ですって、本当の筋金入りは漫画研究会なんてコミュニティーに参加しませんから。なるほど、あのツンツン具合はその所為だったのか。」
「おい1人で納得するなよ。何かするのか? できれば怒らせたく無いんだが……。」
滅茶苦茶、怯えている。余程、学生時代に叩かれたみたいね。トラウマになっているみたい。
「別に何もしないわよ。彼女の周囲に萌えを提供するだけよ。何とかなるでしょう。総一郎さんも頑張ってくれそうだし。」
「総一郎がどうしたんだ。」
「お義兄さんが好みなんですって。パートナーにしたいそうよ。転ばせるためにも、萌えのためにも応援しなくっちゃね。」
「おいおい。家庭崩壊は困るぞ。」
「ゆりさんが本当にBL嫌いでお義兄さんが襲われても受け入れられない人だったら逆に絆は深まるでしょ。隠れ腐女子だったら、温かく見守るでしょ。どちらに転んでも大丈夫そうよ。」
「ゆりは本当にBL嫌いだぞ。兄貴が受け入れたら、どうするんだ?」
「お義兄さんが幸せになるんだから喜んであげてよ。それから、ゆりさんが描いた漫画があったら貸して。」
「部誌なら事務所に置いてあるぞ。後輩が毎年送ってくるから、ゆりが3年・4年生のときの部誌もあるはずだ。そんなものどうするつもりなんだ?」
「隠れ腐女子だったら、登場人物のセリフにだけ登場する人物がゲイの場合が多いのよ。腐っているからね。そういうのを指摘してあげれば、簡単に転ぶのよ。そうでなくても、描く漫画にはその人の本性が現れるから、攻める方法がわかるの。」
BLに関して男性は内心嫌でも拒絶反応に至らない場合が多いけど
女性のほうが拒絶反応が出やすいですよね(笑)
しかも線引きが細かい。
例えば、ガチなゲイはダメだが妄想はOKとか
男性作家ダメだけど女性作家はOKとか。
BLが生まれる前からゲイを描く商業男性漫画家が居るのに(笑)
BLは女性だけのモノとか言われるともう訳わからないです。
BLだけど実は男性は無関係?
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