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腐男子御曹司の彼  作者: 一条由吏
第4章 鬼束家の人々
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2.腐女子は嫉妬に狂わせるのが得意?

「これ、どうぞ。」


 私は年配の女性に救急絆創膏を手渡す。


 やっぱり、来て見てよかった。フリーで見たいというお客様が1時間経っても降りてこないので心配で見にきたのだ。


 マニュアルでは来店頂いたお客様について説明して回るのが私たち販売員の仕事なのだが、ついて来られるのが嫌だというお客様もみえる。


 特に女性の年配のお客様はイケメンの販売員に見られているのが気になるのか。同行を断ることが多い。


 この本店の店舗面積は広い。地上6階地下1階、エレベーターは存在するが奥にあり。主な移動手段はエスカレーターなのだが3階以上は上りしか無い。


 販売員が同行するときは、お客様のご要望にあわせて最短ルートで回るので大した労力は必要ない。


 だがイスひとつをとっても各階にあるので、その全てを比較検討しようと行ったり来たりすると目の前の女性みたいに靴ズレを起こしてしまう。


「ゴミいただきます。」


 目の前で女性が足首に絆創膏が貼り終わる。その際に出たゴミも自分で回収する。持たせておくと、商品のゴミ箱に間違えて入れてしまうお客様もいる。面倒だがその場で回収することにしている。


「今度、子供が1人暮らしをするというので机を探してきたのだけど、各階に少しずつ置いてあるでしょう? 歩き疲れてしまったの。今日はもう帰るわ。今度来たときは、貴女に案内をお願いするわね。」


 私はその場で名刺を取り出して、お客様に手渡す。こういう細かい気遣いから、お得意様が生まれたりするかもしれない。


「栗本あずささんでいいのかしら?」


「はい。あずさです。よろしくお願い致します。よろしければ、肩をお貸ししましょうか?」


 このひと、ちょっと太めだけどエレベーターまでだから、なんとかなるよね。


「君には無理だ。私が背負うよ。」


「あっ店長。」


 後ろを振り向くと由広店長が立っていた。7階の倉庫から降りてきたところらしい。本当に裏方が好きなひとね。


 女性を背負うと中腰のままエレベーターに乗り込む。あまり高い位置だと恐いからね。


 1階に到着すると玄関ロビーにあるイスの傍に女性を降ろす。店長はイケメンだけど、ガチムチ体形だから、それほど気にならなかったみたい。


「あっ。店長さんの名刺も頂けます?」


「はい。鬼束由広と申します。」


 そう言って店長が名刺を手渡す。


「鬼束って、この店の息子さん?」


「はい。不肖の息子でして。」


「そう。ありがとうね。今度、来るときは貴方が居るときにお伺いするわ。」


 そうニッコリと笑って迎えにきたタクシーに乗って帰っていった。どうやら、お得意様を逃してしまったみたい。まあ鬼束家具のお客様には違いないのだから、いいよね。


「すまない。なんか手柄を横取りしてしまったみたいだ。」


 こういう気遣いもできるのね。良いひとでいいじゃない。無理矢理、悪いところを探そうとするのがバカバカしくなってきた。


「いいえ。お気になさらず。あのお客様が鬼束家具で商品を買ってもらえるのが第一ですから。」


「そうだよね。ありがとう。」














「どうだ。兄貴は?」


「イイ男ね。」


 間違えた良い人と言うんだった。


「惚れたか?」


「何、嫉妬してるの?」


「嫉妬して悪いか。」


 最近、キヒロは遊び人っぽい言動が多い。こんな人だっけ?


「それも同人で発表した番外編の切り返しのセリフだよね。言ってて恥ずかしくないの?」


「恥ずかしいに決まってるだろ。でもこのセリフも好きだと言ってたじゃないか。」


 本当ね。薄っすら、頬が染まっている。可愛い。


「全くそんなに私を蕩けさせてどうするつもり。」


「もっと言うぞ。好きだ好きだ愛しているんだ。」


「なんか軽いのよねキヒロって。これが由広さんだったら違うのに。」


「お前こそ、こんなに俺を嫉妬に狂わせてどうするつもりだ。」


「決まってるじゃない。そこで指咥えてみてるのが辛くなるようにしてるのよ。」


 私はツカサさんとキヒロのベッドの上でイチャイチャしている。ツカサさんの身体は全身性感帯のようで少し愛撫するだけでもイイ声を上げてくれる。


 ここにキヒロが加われば完璧なのに嫌がるのよね。全くヘタレなんだから。


 それでも見えないところイチャイチャされるのは嫌らしく同じ部屋に来ているので気が散って仕方が無いのだ。

BLのセリフを男女間に置き換えて使用すると男は嫉妬に狂います(笑)

実体験も無しに使うと大変な目にあうのでお気をつけください。


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