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腐男子御曹司の彼  作者: 一条由吏
第4章 鬼束家の人々
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1.腐女子はどちらがお好き?

「栗本梓さんと小島総一郎さんだね。私は鬼束由広です。よろしくお願いします。」


 なんかイメージが違う。もっと偉そうなイメージでデキル男っぽいのかと思っていたのに、凄くおっとりと喋られて調子が狂ってしまう。


 総一郎さんと顔を見合わす、彼もそう思っていたみたい。


「栗本です。至らぬ点も多いと思いますがこちらこそよろしくお願いします。」


「いえいえ本店と言っても、他の店舗とやりかたは一緒。難しく考えなくても大丈夫。でも分からないところがあれば遠慮なく聞いてください。」


 彼はニッコリと微笑む。キヒロよりも少しタレ目なので随分優しそうに見える。


「小島です。今までは営業を中心に仕事をして参りました。販売員という職種は初めてですが、貢献できるように頑張りますのでご鞭撻ください。」


 キリリと白い歯を見せる。目力も強い。でも少し頭を傾ける仕草が聡子さんとソックリ。


「営業ですかそれは心強い。家具業界だからという特別なルールも無いので、存分に能力を発揮して本店を守り立ててください。よろしくお願いしますね。」


 それを見た由広店長は少し頬を赤らめながらもしっかりと答えた。ノンケにも通用するイケメンの笑顔は素晴らしい。私もゲイと知らなければポーッと見惚れていたかもしれない。












「どうしよう。物凄く好みのタイプ。」


 由広店長がバックヤードに出荷品の点検に行くというので、しばらく待機。本当に裏方の仕事が好きなようである。


 店長を指名する客も居るので商品の説明も一通りできるみたいだが、他の販売員みたいに押しが強くなく。背中を押して欲しいお客さまの場合は周囲の販売員がフォローする場面も見られた。


 あまり、人の上に立って仕事をするのに向いている人間ではなさそう。社長時代も周囲に気遣うばかりで大胆な施策を行うのは無理そうである。


「えっ。ああいうタイプが好みなんですか? 総一郎さんは。前の人と随分違うじゃないですか。」


 あのクレーマーとは全く正反対と言ってもいい。


「あれは、つまみ食いし易いんでついつい手を出してしまうんだ。ああいったプライドの高いタイプは自分よりイケメンの男に自分を立ててもらうと気を許してしまう傾向があるんだ。そうすると二人っきりで愚痴酒に付き合うとついつい飲み過ぎてしまうのさ。」


 最近はオヤジが入っている女性も泥酔するからなあ。男じゃあ襲われる危険性なんて考えないんだろうな。


「泥酔したところを襲うんですか鬼畜ですね。」


 あのクレーマーの男の顔が見えないようにモザイク処理をして想像してみる。腐女子としてはアリよね。


 ジャンルとしてはイケメンじゃないただのオッサン受けが好きな腐女子も存在するから、そのままでも十分かもしれないけど。


「嫌いじゃないだろ。そういうの。それに行為が幾ら良くてもプライドが邪魔をするから、ズルズルと続かない。だから、つまみ食いに最適なんだ。まあ時折、男と寝たことを受け入れられなくて暴走する奴もいるが、大抵無かったことにされる。」


 この間のクレーマーは暴走した人間だったんだ。周囲に男と寝たことがバレるとこまで頭が回らなかったんだな。


「嫌いじゃないですね。男の心理が読みやすくて。ポッと出の単発キャラなら使えそうです。あれから、どうなったんですかね。あのひと。」


 全然会って無いだろうから、知らないだろうけど聞くだけ聞いてみる感じ。まあ答えは期待していない。


「意外なようで意外じゃない顛末だったぞ。知り合いの話では、ゲイのコミュニティーに現れたそうだ。ハマったんだろうな。自ら求める分には良いことになったんだろう。彼の頭の中では。」


 意外にもハッキリとした答えが返ってきた。彼も気にしていたのだろう。


「はあ。そういう人間もいるんですね。自殺とかじゃなくて良かったですけど。」


 あれから実は気になっていた。私がトドメを刺した人間だから、多少の不幸は自業自得で済むけど自殺とかされていたら困る。


「由広店長は、そのタイプかもしれない。まあああいうタイプは人に弱味を見せないから、押し倒すのは無理なんだ。攻略しがいはありそうなんだがなあ。」


「どういうことですか?」


 確かに他人に愚痴を零してくれるようなタイプには見えない。キヒロと同じように内に抱え込むタイプかもしれない。意外と良く似た兄弟なんだ。


「一度、身内になってしまえば決して裏切らないタイプだと思う。だから是非ともパートナーにしたいんだが具体的に攻略法が思い浮かばない。」


 そうかな。綻びがきっとある。そんなときを狙って告白する。ダメかなあ。


「やっぱり正攻法で行きましょうよ。」


「正面から告白か? 君たち腐女子は好きだよな。だがダメだったときのダメージは半端無いんだぞ。」


 正攻法がダメなら、汚い手段を使うのも有りだ。それも鬼畜なほど萌える。


「弱味ですか。ちょっと情報を収集してみますね。」

やっぱり鬼畜なほうで、そのあと正攻法で大団円が理想(笑)

貴女はどちらがお好きですか?


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