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腐男子御曹司の彼  作者: 一条由吏
第3章 偽装結婚
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プロローグ

お読み頂きましてありがとうございます。


■登場人物

 (くりもとあずさ)

    栗本梓 20歳

 BL創作女子。デザイン系の専門学校卒業予定。

 将来の夢は好きなカップリングが愛し合っているところを覗くことというリアル腐女子。

     x

 (おにつかゆきひろ)

    鬼束幸広 30歳

 鬼束家具副社長。有名私立大学卒業。

 自己資金で始めた派遣会社鬼束スタッフが急成長し、その腕を買われ父親の会社の

 鬼束家具副社長に就任。業界トップの急成長を成し遂げる。

 BLコン大賞受賞した人気漫画家キヒロとして有名になったが

 列島書房の編集部に性的差別を受け断筆。

 今は読者の夢を壊さないように同人作家を続ける隠れ腐男子。


  (さとうゆうこ)

    佐藤裕子 30歳(旧姓鈴木)

 鬼束スタッフキャリアカウンセラー。有名私立大学卒業。

 受付兼キャリアカウンセラーとして活躍する彼女だが、

 臨時スタッフとして鬼束家具の現場でも働いている。

 BL2次オタクの彼女は同人作家キヒロの窓口として

 多くのサークルに顔がきく。


 (ほうじょうつかさ)

    方城ツカサ 23歳

 鬼束スタッフ社員。有名私立高校卒業。

 1年社会人を経験したあとニューハーフのボーイとして勤務。

 20歳の誕生日からニューハーフのスタッフとしてショーに出演。

 21歳のときに念願の豊胸手術を行なう。

 22歳のときに性転換手術を行なう。

 23歳に鬼束スタッフに転職し、昼間の仕事に就く。


「偽装結婚ですか?」


 入社して1ヶ月経ったある日、突然のプロポーズに返した言葉。


「そうだ。良く分かったな。」


「運命の相手を見つけたんですね。相手はゲイにノーマルをアッピールするための手段なんですね。わかりました。それなら受けましょう。相手は誰なんですか? 社内の人間? ゲイバーで出会ったわけじゃなさそうですね。」


 腐女子が私の中の恋心を置いてきぼりにして暴走しだした。


 どんな男性だろう。もちろんガチムチがいいけど、若い男の子でもいいかも……。


「あ…ああ…まあな。受けてくれるか? もちろんご褒美もあるぞ。」


 ご褒美ってなんだろう。2人が愛し合っているところを見せてくれるのかな。


「前払い分を先に頂いてもよろしいでしょうか。準備がありますので明日、ホテルを予約してください。」


「前払いって?」


「ほら他の人たちの前でキスしてみせたりしなくてはいけないでしょう。それなら練習しておかないと。」














「はい。戸籍謄本と婚姻届。もう私の分は記載しておきました。」


 翌日、ホテルに到着すると鞄から書類を取り出してキヒロ先生に渡した。


「おいおい。本気か。」


「あれっ、違ったんですか。昨日、偽装結婚と仰いましたよね。」


「まずは婚約からと思っていたんだが。随分と軽いんだな君にとって結婚は。」


「物凄く重大ですよ。ゲイの偽装結婚なんて腐女子にとって、馬に人参同然なんです。食いつかないわけは無いでしょ。」


「いや。すまん。違うんだ。親父から無理矢理婚約者を押しつけられそうになっていて、さらにクスリが効きすぎたのか、独身の腐女子からゲイのターゲット外の俺へ求愛されるようになったのでお願いしたかったんだ。」


「酷い。なんで昨日そう言ってくれなかったんですか。私、喋っちゃいましたよ。両親や裕子さんや聡子さんや渚佑子さんにも。渚佑子さんなんか、説得するのに1時間もかかっちゃって大変だったんだから。」


 キヒロ先生のことだから、そんなことだろうとは思っていたけどね。


「渚佑子…様…に…も…話したんだ。」


「別れる時には覚悟しておくように言われましたけど、何のことですか?」


「さ…さあ。とにかく結婚してくれるんだな。婚姻届は明日出してくるよ。それから聞きたいんだが、ここに置いてある『開けたら殺す』って書いてある箱は何だい?」


「今日、ご褒美を前払いしてもらうための道具です。道具と言っても漫画を描くために通販で買ったものです。先生も使ったことがあるでしょ。」


 私は厳重に封印してあったガムテープをバリバリと剥がして先生に見せる。いわゆる大人のおもちゃ。18禁漫画であってもそれなりにモザイク処理を行うが現物をもっていなければ元画像を描けない。


「先生にお願いしたいのは、私が先生に使ったときの感覚を1個に付き4ページ程度の漫画にしてくれることです。簡単でしょ。」


 先生の目が潤んでいる。そんなにも嬉しいのだろうか。


「とにかく、一緒にお風呂に入りましょ。綺麗に中まで洗ってあげますから。」


 私は着ている服をさっさと脱ぐ。


「そ、それは?」


 先生は私の身体に巻きついている布を指す。


「可愛いビキニでしょ。新調したんですよ。どうですか?」


 私は良く見えるようにくるりと回ってみせる。


「いやいやそうじゃなくて、それを着てお風呂に入るつもりなのか?」


「ええそうですけど。ごめんなさい偽装結婚ですよね。キス止まりと思っていたんですが違いましたか?」


「俺、腐女子を舐めていたよ。そこまでやるんだ。」


「大丈夫ですよ。これらを実際に使うのは初めてですけど、軟膏も持ってきました。先生に運命の相手が現われるまでに後ろだけでイケるようになるように一緒に頑張りましょ。」













「紹介する。俺の妻の梓だ。」


 私を配偶者として紹介してくれる。入籍も済んだし、結婚指輪も作ったので準備万端。


 だが目の前に居るのは女性。それも同期の女性従業員だったはず。


 確かお嬢さま学校として有名な聖アルテミス女子短期大学を卒業した腐女子。


 でも腐女子歴は短いらしく。裕子さんに引き入れられた口らしい。


「確かこの間は婚約者が居るから紹介するという話だったと思ったのですがご結婚されたんですね。それはおめでとうございます。」


「だから今回のお話は無かったことにしてくれるかな。親父にはこっちから言っておくよ。」


「もちろんです。代わりにと言っては何ですが、将来ゲイカップルになりそうな組に入れてくださいね。頑張ってくっつけますから。」


 彼女も腐女子であることには代わり無いらしい。これは是非ともお友達にならなくては。


「ああよろしく頼むよ。」


貴女なら偽装結婚の交換条件は何を選びますか?

やっぱり彼と彼が愛し合っているところかな(笑)


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