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2話 再会、だが私は睡眠をとる

後半で視点変わります。


私が侍女達に面倒を見られている中、それは突然やって来た。


「マリアっ! また会えた!!」


突然部屋にやって来たと思ったら、私を抱き上げ頬擦りをする少年。


……何だコイツ……うぜ、寝かせろよ。

…………ん? ん? あれ? 何かこの魔力見覚えがある気が……


「お兄ちゃんだよ、マリア! 今世でも兄弟として会えるなんて! やっぱり僕らは運命で繋がれているんだよ!!」


見覚えがあると思ったら、どうやら兄だったようだ。


《久しいな、兄よ》


まだ喋れない&前世同様喋るのが面倒な私は、魔法を使って喋りかけた。

所謂、念話というやつだ。


……うむ、久しぶりだと疲れるな。

……今日はもう寝るとするか。


「まだ、寝ちゃダメだ妹よ! 世界を越えた兄弟の感動の再会だぞ! 少しぐらい我慢しなさい!」


《うざぃ》


私は念話でそう言うと共に、魔法で兄を吹き飛ばした。


「ぅ、げぇっ!? ちょっと、マリアっ?! 愛が痛いよ!?」


《愛などない。私は眠る》


兄よ、分かっているだろう。

私の中では兄<<越えられない壁<<安眠だ。


私は魔法で、自身の周囲に結界をはった。

結界に込める魔法は、消音に自動防御、そして温度調節。

眠るには静かで陽だまりにいるかのような暖かい場所、邪魔されることなく眠り続けられる環境が不可欠だ。


「だから、寝ちゃダメだよっ!!?」


《………………くぅ………すぴ》


兄が何やら喚いていたが、私は夢の世界へと旅立った。






◆◆◆◆◆◆◆◆






「……マリア」


僕の制止をものともせずに、眠りについた妹を見てやはり自分の妹だと確信する。

纏う色彩は変わったが、中身は全然変わらない。

怠惰で、無気力。

実の兄よりも、睡眠をとるような妹。

けれど、世界の誰よりも……愛おしい。


僕は生まれ変わってからずっと、妹を探していた。

前世で同じ世界同じ時にに生まれ変わるように魔法をかけていたが、多少の誤差が出ていたようだ。

探索の魔法を使い続けて、先日ついに魂の在処が分かった。

まさか妹が、今世も自分の妹として生まれ変わってくるとは思いもしなかったが。


『兄よ、法律では三等親以内の親族を養う義務がある。だから兄も、私を養わなければならない』


前世でマリアは、僕にそう言った。


“怠惰の魔王”


僕より魔法の才能があり、恐れられたマリアが僕を頼ったのだ。

マリアは憐れな子でもあった。

莫大な魔力を持つゆえに、自力では身体を自由に動かす事も出来なかった。

彼女は魔法がなければ、ろくな生活が出来なかっただろう。

大き過ぎる力が、彼女から普通の生活を遠ざけた。

何でも出来るのに、決して普通の幸せは享受出来ない妹。

憐れで、可愛い僕の妹。

今世も同様に、マリアは恐らく魔法なしには普通の生活を送れないだろう。

それほどの魔力を、目の前で健やかに眠る赤子から感じ取れる。


「大丈夫だよ……マリア。僕がずっと一緒に居てあげる……だって僕は君の兄だからね…………」


誰よりも何よりも愛してるよ、僕のマリア。

ヤンデレ感、ちゃんと出てますかね?

何これ?と疑問に思っても、寛大な心でスールしちゃってくださいm(__)m

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