カスタ共和国
待ち時間、暇ということもあり、共和国を少し観光することにした。
「首都は皇都より発展してるな」
周りを見ると、異様にでかい内燃機関を剥き出しにした車モドキが、馬車に紛れてまばらに走っている。
通りの向こう側に掲示板があったので、見ると『君も強化騎士になろう!』と文言が書かれた胡散臭い広告がデカデカと貼られていた。
「短く太く生きよう。魔力増幅器を体内に埋め込むことで魔力のないあなたも一線級の騎士に……。胡散臭いことこの上ないな。まさか報奨はこの改造手術とは言わんだろうな」
『マスターは完成された状態なので改造の必要性はありません。マスターを改造しようとする人間は脳に致命的な欠陥があるので私がアップデートしましょう』
「お待たせしました。ヴィラン辺境伯。こちらにどうぞ」
ーーー
先ほどハイザや付人が出入りしていた建物ーー議事堂の中に入ると物の少ないだだ広い部屋に案内された。
中央に物が置かれた台とサイドに司会の男と貴賓がいるのみで、前世の世界の報奨授与式と同じようなものを感じさせる。
「報奨授与の儀を始めたいと思います。第一統領入場お願いします」
司会が開会をすると、促されるままにハイザが入場し、台の前で足を止めた。
「授与者であられるヴィラン辺境伯殿、台までお進みください」
司会の進行に従い、俺も台の前に進み、ハイザと向かい合う。
前世に似ているというよりまんまだ。
技術の進み具合からして考えると、転生者が関与したというより元々こういう設定であるといったところか。
「ここに貴君への感謝の意を込めて、『回復の炉心』を授与します」
引換券代わりなのか、刻印が刻まれたオーブを渡してくるので、それを受け取る。
回復の炉心は主人公側にある基本設備で、戦闘終了後に負傷した仲間を中に入れておくと一定時間経過後全快できるというものだ。
ゲームほどの効果はあるかは謎だが、あって損はないものだ。
報奨を受け取った後、貴賓に一言を聞くと授与式が終わったので転移しようかと考えると、貴賓に居たランズインダストリクスとか言う商会の会長から声を掛けられた。
「ヴィラン辺境伯殿、商談をさせてもらっても宜しいですかな?」




