国賊疑惑フラグ破壊
皇帝が来るのならば、普通であれば城に招くものだが、残念ながらディアブロの城は木っ端微塵になっており、残っている部分は鎧の格納庫と備え付けられたモニター室ーー現俺の執務室しかないため、元ディアブロ辺境伯の別邸に招くことになった。
別邸は郊外にあり、城から離れているため、俺は今まで領都の宿にしていたこともあり、俺自身もあまり使用したことがない。
一応、ディアブロの頃からこの別邸を管理していた使用人たちをそのまま雇い、管理させているので、問題ないはずだが。
「ふむ、先の侵攻で褒美をやった以来だな、ヴィラン辺境伯」
皇帝が特に何の反応を示さないところを見ると、及第点はもらえたようだ。
「ご機嫌麗しゅう、陛下。して、此度は急ぎでの到着に見受けられますが、如何様で?」
「いや、なに、対したことではない。なるべく人が居らぬときに主と会いたくてな」
そういうと傍に付人が現れ、皇帝に装飾のついたスイッチを渡した。
「それは?」
「これはある大逆者の命に紐づけられたスイッチだ。その者はこの国から未来を奪い、今は王国の野を彷徨っている。英雄たる君がそのものに与していないことはもちろん儂とてわかっている。だが世にはまるで想像のつかん出来事が起こるところをこの目で少なくない数、見てしまっている。儂は保証が欲しい。貴公の信が本物であるという保証が」
俺が質問をすると皇帝はスイッチを俺に渡してきた。
大逆者というのはおそらく宰相のことだろう。
もうすでに皇帝に放逐され、今更殺したところでもはや皇国になんら悪影響が及ぶこともなく、付随した胸糞が生まれる余地もないので、別段スイッチを押すことに抵抗はない。
「儂に信を置くというのであれば、そのスイッチを押してくれ」
「御意」
そのままスイッチを押す。
特に実感はないが、ラスボスの胸糞ストーリーを主導するはずだった宰相はこれでこの世から消えたらしい。




