皇族襲来フラグ
用は済んだので帰ろうと思うと、デマキの魔力感知が王都に忍ぶアナベルを発見した。
ついでに連れて帰ることにする。
「!?」
領地に転移すると、驚きつつもアナベルがこちらに向けて短剣を構える。
そういえばこいつには、デマキの姿を見せたことはなかったか。
「俺だ」
「クリア様! ご無礼を!」
アナベルは主人に刃を向けていることに気付いたようで、短剣を下ろして頭を下げる。
「構わん。内乱の調査とセイクリッドの企ての報告ご苦労だった。報告は後で構わんから体を休めろ」
「御意」
王国は国土が広大なため、スピアで行ったとしても2週ほどかかることを考えれば、調査も兼ねて1週間ほどで王都に行ったのはかなりの強行軍だったはずだ。
メリーの教育を耐えらえるだけのタフネスがあるとはいえ、空気中の魔力を集めて騎士の魔力を増幅する機構のあるスピアを超えた働きをしている時点で、人の身には過ぎた行いであることを考えると、念のために回復術師も手配した方がいいか。
『アナベルの魔力波に疲弊の色はありますが、身体に損傷はありません』
「あいつの体が化け物レベルで頑丈か、回復術を使えるか。それとも両方かと言ったところか」
教会秘伝の回復術も仕込んでいるとしたら、メリーは本当に謎の存在だな。
いつも不思議だが、どうしてゲーム開発者というのはこうしてゲーム上で一切でない設定に対して異常なこだわりを見せるのだろうか。
もしや奴らは至高の胸糞を生み出すためにキャラの設定を幾重にも作って、矯めつ眇めつする実験でもやっていたとでもいうのか。
胸糞大好き過ぎだろ。
地獄行き確定だ。
『マスター、たった今、皇族が領地の中に入りました』
「ひどく早いな。まだ進軍計画を発表してから一両日も経ってないというのに」




