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偶然?で始まる 素晴らしき人生!!  作者: 保温地域の右手
優しさを買えば対価もある

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12/15

流石に酷くない?

「と見せかけてそこだなぁ!!!」


階段に隠れて奇襲されるかと思い小さな火の魔法を飛ばしたら、上から数人の兵士が転がり落ちてきた。


「呪術の可能性がある、撃たれたものは寺院へ行け!そして殺せー!」


奇襲を防いだが結局勝てるわけがないので家の裏にいたライムのところに行き助けを求めに行く。


「助けてくれ!殺される!」

「本当に転生者?まさかあなたただの目立ちたがり屋では?」


そんなことを言われている最中に後ろから兵士にタックルされ吹き飛ばされる、なぜか外側じゃなく内臓が痛む。


「そんなぐちぐち言ってるから俺縛られ始めてるぞ!?」

「分かったよ」


ライムが歩み寄ると兵士達はユウガから離れる、だが団長だけは遠くからこちらに走ってきていた、とても小さな火魔法を構えて放つとなぜか自分の髪の毛に吹き飛んできて自滅した。


「あっ!ツィッヨ!」

「なんかそういう誓約でもしてるんで?転生者ならもう少し強がれるくらいにはなりなさいよ」


ライムがとても遅く手を下に振ると兵士達は地面に張り付くかのように落ちる、落ちると言っても足は常に地面に付いたままだが落ちる感覚を感じさせているようだ。


「まぁそうだね、正当防衛だ」


服に移りかけの火を水魔法で消してもらうと転移石を渡された、これはどうやら旧王都行きとこの家のランダムな部屋への転移先のようだ。


「これって」

「まだ使わないでくださいね、あなたではまだ何もできない、そうでしょう?」


使っても良いのかと思ったが能力だけでは攻略できないことだってあると思われているようだ、まあ実際のところそうだが能力も知らないのになぜ何もできないと言えるのだろう。


「試練に失敗したから黒結晶を強奪するつもりだね?ならば自分とチェムネがあなたを強くします」

「魔法も結構使えちゃう感じで!?」

「世界一"かっこいい"魔法使いにしてあげよう」

「ふっ……俺の時代到来かっ」


かっこいいというだけで強いとは限らないが、せめて敵を騙せるくらいには強そうな魔法を見せられるなら満足だ。


部屋に帰るとチェムネは眠っていた、がすぐに起きた。


「お帰り、仲良くなったみたいで安心したよ」

「だな、じゃあライムさんよ、簡単なの教えてくれるんだろ?」

「もちろん!この世の基礎とも言える魔力壁から教えよう、とりあえず自分を守る盾を思い浮かべることが1番かもしれない」


確かにアニメなんかでも魔力で作られた盾を使い攻撃を防ぐのはよくある展開だ、だがしかし自分は盾を思い浮かべて魔力を込めてみたがよく分からない板が現れ地面に落ちただけだった。


「もう嫌だ……前から実はそうなんじゃないかって」

「前からというとどのような?」

「魔力を使ってなんかやろうとすると必ず元気のないおしっこみたいな魔法しか出なくて」


ライムが本を読みながら何かを考え脳内完結したようだ。


「天才だね君は、君は私が推測するにこの世で1番魔力を持っているけど……ハハ」

「要するにドクターは魔法を使うのは諦めた方がいいと」

「あ、安心してくれ!使える魔法はよくある!よかったじゃないか!」


自殺して転生させられたっていうのに魔法を撃つことがまずできないらしい、というより本質的な意味ではできないらしい。


こんな最悪な現実には目を向けていられなくなる、だって今まで魔法を撃つためこの世を生きるという目標があったのに撃てないのだから、泣いてしまった。


「なんだよ……なんだよ使える魔法って!」

「強化魔法と魔力の波だ!」

「クソガッ!!!もういいから教えてくれ……」」

「じゃあ行くか!」


ライムが転移石を部屋の中で使ったせいでチェムネのベッドごと湖に来てしまった、案外ここへ来たことがあるのかチェムネは動揺していない。


「私もユウガが魔法使ってるところ、見てみたいな〜?」

「うっしやりますかぁ!!!」

「教え甲斐があるね、枝でもなんでもいいから棒はある?」


ショートソードは置いてきてしまったので木の枝を代替として使うことにした、こんなので使えるのだろうか?



「それに全魔力を込めて湖を切って」

「かっこいいとこ見せちゃうぜぇ!!」


魔力を全て込めると木の枝がいつの間にか木っ端微塵になり、もう一つの光の剣ができた。


「こ、これどうすんの!?痛い痛い!」

「適当に振ってみて、頑張れー」

「技名決めるとかっこいいよー」


痛みで全く思考が巡らないが適当に技名を決めて振った。


「今は無理!」」


本当に軽く振ると轟音が鳴り響き、辺り一体赤黒い炎に包まれてしまう。


「かっけええぇ!!!!!生きててよかったわぁ!!!」

「うーん、派手だけどサポーターがいないと自滅しちゃうね」


先ほど痛いと言っていたように、実はライムが常に魔力を纏わせていたから痛いですんだが、サポートなしなら皮が剥けて行き酷い状態になるだろう。


「きっといつかは慣れるよ」

「まあそうだな、技名はアインシュヴェルトにしよう!」



名前の由来は忘れたが、確か一振りの剣的な意味があった気がする。


「ただ放つ前に魔力を無駄に消費してるね、それとこれをあと三発打てるようになってもらおう」

「弓なら後一発打てるぜ!」

「弓?でもあなたに技量があるようには見えないけども」


言われた通り技量なんて夢のまた夢であり、今はただパワーでゴリ押ししかできないしそれも当たらない可能性が高い。


「それ以前に攻撃範囲が広くても避けられやすいよ」

「ま、まあな」


魔力を持っている生命体なら容易いことだ、せめて二発打てるならほぼ必ず当たるとは思うが。


「やっぱ俺に異世界は難しいな」

「じゃあどこなら簡単なの?」

「そりゃ都合の良い世界だ」

「じゃあ簡単な世界はないね」


チェムネはライムと喧嘩している時も痛いところをついてくるし言い返しても数倍は強い言葉で返してくる、それもかなり自分にブッ刺さるものだ。


「まぁ頑張るよ」

「偉いねー」

「自分があなたを強くしたら人類最強も夢じゃないですよ!ということなので次は覚えないといけないことは大抵教えます」


いつの間にか半透明な椅子が現れユウガが座る、ライムは教卓にいた。


「まずこの世の人間が固有の能力を持つのは知っているよね?あれに対抗できるのは状況適応能力の高さだ」

「と言うと単なる強さじゃダメと?」

「あんな一撃を当てた瞬間カウンターなんて使われたら死んじゃうからね、まずそこだけはなんとか高めて欲しいんだ、自分じゃそこらへん難しくて教えられないんだ」


漫画とかで主人公は元からそういう基礎値が高いのは定番だがユウガはそうではない、まぁ少しは高いだろうけどもすぐに状況打破なんてのは夢だろう。


「まぁ能力をバンバン使ってくる相手は油断させて殺そう、自分の知り合いにも油断して何度も死にかける奴がいたな」

「油断ってそんなに危ないのか?」

「一発でその勝負は決まるから」


大抵人間は、ナイフを少しでも当てられればとても痛がり転がっていくと言うのが現実だ、耐えたとしても重症に変わりはない。


なんとなく聞いていたら後ろの草むらから熱線が放たれ、身構えるも意味がないことに気づいた時にはその熱線はライムが体で直に受けていた。


「油断せず鉄の加護を受けていればこれも痛みは感じないし怪我もしない」

「それ加護のおかげじゃ?」

「まぁその前に騎士団がどうやらまた喧嘩を売りに来たようだね」


森からは数十人の騎士団が現れた、皆がとても強そうな武器を持っている中ライムとチェムネは武器無しだ。


「そこから出てくるの?勿体無いことするね、習っていないのかい?」

「挑発したらダメですよ!」


兵士達はユウガにだけ魔法を集中砲火したが全て何かによって空に飛んでいく。


「俺もなんかしらの加護持ってたりする?」

「今はライムが魔力で空間を歪ませてるんだよ、人の目には見えないけど多分そうだと思う」

「俺も強くなればできるかもなぁ」


この光景を見続けていると、とうとう兵士はこちらへと迫ってきたので魔力の弓矢を構えた。


「いい機会だ、一度兵士と戦ってみるといい!」


ライムに突き飛ばされると、なぜか1v1のフィールドが出来上がっていく、自分は一度転生者としていいところを見せてやろうとボロボロな生成された魔力剣で戦うことにした。


「おらっ!」


剣を縦に強く振ると兵士は軽々と避け、腹を殴ってきた。


すると兵士だけいつの間にか瞬きするよりも早くに目の前から消えていた、こんな状況に少し混乱していると助言が来た。


「今兵士は地面を使って直接転移魔法で城に送った!てかその前にもっと強くあってくれ!」


フィールドが崩れて辺りを見回す、ライムとチェムネ以外皆転送されたようだ。


「努力じゃ才能には勝てないよ?まずは自分の才能を知ることからだね」

「女の子が言うセリフじゃねーだろそれ」

「……」


ライムはかなり真剣に何かを考えているようだ、まあ認めてくれたのは嬉しいが強さまでは流石に認められないだろう。


チェムネの体にある結晶が少し黒くなった気がした、それを聞こうとするが何故か微笑まれ言おうにも何故か言えない。


「時間がない、どうすればいいのやら」

「もう諦めた方がいいし、そんな強くなろうなんて考えてもなれないものは仕方ないよ」


自分たちが諦めると言うことはチェムネの死を意味する、なのに何故彼女はこうも諦めたように喋るのだろう。


「俺が悪かったりする?」

「そんなことはない!君は才能の原石だからな!」


手を握られユウガは少しホッとした、目を開けるとそこは全く見知らぬ場所だった。


「……はぁ?」


石でできた壁で扉を開けようとするがこう言う場合敵がいる可能性もあるので、魔力剣を作っておいた。


扉を開けるとそこには何十人と兵士がいた、それも見た目からしてろくな奴らじゃない。


(何が目的で俺はここに飛ばされたんだ!)

「は、初めましてぇ〜俺はちょーっと迷い込んでしまっただけで」


もちろんこんな言い訳通じるわけがなく、全員が全員本気でユウガを取り押さえ元いたあの部屋の椅子に縛られた。


「流石に酷くない?」

「まずお前は宗教やデモ隊、それと魔物のどれかの味方をしたことはあるか?」

「……」


メティアの店にいるスライムには手を出していないが、あれは味方とでも言うのだろうか?


「スライムなら見逃してます」

「それだけなはずがないだろう!転生者は皆思想も強く、話すらまともにできない狂人だけなのだから!」

「と言われても」


よく分からないが、ユウガの思うまともに話のできない人間なんて持病持ち、もしくはネトウヨだとかの少し過激な人間だとしか思っていない。


「世界に何かをされる前に殺しておけ!いつも通り自分を過信するゴミだ、必ず殺せ」

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