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第6話 シティーガール

 ミモリはようやく魔法の書を読み切り、身体強化魔法パキイアを習得した。


「はあ、やっと終わった。」


「ほんとですか!試しに私にかけてみてください。」


「身体強化魔法、パキイア!」


 ビキカのパワーが上がった!


「なるほど、これは凄いです。でも私たち元の身体能力が低すぎてこれでやっと一般人ですね。」


「今まで生きてきたのが奇跡なレベルだな。」


 呪文を覚えるためにヘイヴンウィンに長居してしまった。

 そろそろ動き出したいところだが。


「次はどこ行きますか?」


「そうだな、最後はフリージュ共和国にいくか。」


 定期的にくる船に乗って大陸へと帰る。

 島とは違う都会の雰囲気に圧倒される。

 高いビルに大きな建物、さらには大きな光る看板や立ち並ぶ飲食店という今までの国にはなかったもので溢れている。

 ミモリはなんとなく日本の街の風景を思い出した。


「夜でも明るいなぁ。」


「目がギラギラします…。」


 夜の街を歩いていると、ミモリとビキカはチャラチャラした男からナンパされた。

 女の子二人であまり出歩くべきではなかったとミモリは後悔した。


「ネーチャン達、なにしてんの?」


「あ、えと、観光です。」


「へー、俺たちが案内してやるよ。」


「あ、ちょっと!」


 しかし手を引っ張られて連れてこられたのは大きなデパートだった。


「ほら、買い物するならここがおすすめだよ。」


「いやほんとに案内するんかい!」


「なに?期待しちゃった?ごめんごめん!」


「いやしてないから!」


 目新しい食べ物や服はなかったので少しいい服と肉を買った。

 買い物が終わるとまた手を引っ張られて今度は観光名所のタワーに連れてこられた。


「夜ならここからの夜景が綺麗なんだ。それに今の時間が一番綺麗に見える。」


「階段かぁ。まあこの世界にエレベーターは無いよなぁ。」


 身体強化魔法、パキイアを使ってなんとか登りきる。


「ごめんフェアリア。あなたの魔法を階段を上るために使いました。」


「あ、でも見てくださいミモリさん!すごく綺麗ですよ!」


「ほんとだ。すごい…。」


 10分ほど眺めてから再びパキイアを使って降りた。

 チャラチャラした男は帰ったようだ。

 美少女を前にしてあっさりとした態度を取られ、安心したようなもう少しねばってほしかったような複雑な気分になる。


「あの人なんだったんだろ。」


 ミモリたちは宿を探していたところ、ホテルを見つけて偶然空き室があって泊まれることになった。

 真っ白で綺麗なホテルだが、ミモリにある異変が。


「んー、良くも悪くも普通の街ね。なんかこう、クセが欲しいな。」


「冒険のし過ぎですよミモリさん。ほら、四角い綺麗なふかふかベッドもいいですよ。」


「なんかないの?トゲが飛び出したりとか、屋根が落ちてきたりとか。」


「嫌ですよそんなの。寝られないじゃないですか。」


 そんなミモリもご飯は美味しい方がいい。

 ホテルのご飯はそれはそれは美味しかった。


「肉!魚!あ、パンあるんだけど!」


「こっちにはスープもありますよ!」


 いつものようにホテルのご飯を食べ尽くしていく。

 そして調子に乗って食べすぎるのだった。


「うぅ…動けない…。」


「毎回反省してるのになぜ食べてしまうのでしょうか。」


「人は過ちを繰り返すものだよ。」


「もう諦めている…!」


 お腹が落ち着いてから近くの温泉へ行く。

 フリージュ共和国は温泉も湧き出ていて有名だ。


「はあ、お風呂はピーニ王国の宿ぶりですかね。」


「そう考えると私たち汚いな…。」


 また次にいつ入れるか分からないのでたくさん浸かろうとしてのぼせた。


「ミモリさん。欲をもう少し抑えてくれませんか。」


「反省…。」


 なんだかんだホテルを満喫し、ダンジョンを目指すが、フリージュ共和国はダンジョンを兵士に攻略させていて入口を封鎖している。


「あのー、入りたいんですけど。」


「ダンジョンは危ないんだ。お嬢さん方が入っていい場所じゃない。」


「私たちピーニ王国からの冒険者です。ダンジョンに行かせてください。」


「ピーニ王国?ますます入れる訳には行かないな。」


 中々通らせて貰えず、正面突破は諦める。

 夜を待ってから、暗闇に紛れて侵入する。


「今だ!よし、侵入成功!」


「それにしても国をあげて攻略できないなんて、そんなにも難易度が高いのでしょうか。」


 ダンジョンの中は大量のモンスターがおり、倒していくにはなかなか厳しい。

 だが、モンスターを可愛さで切り抜けるミモリたちはいとも簡単に突破する。


「ちょっと通るねー。ちゅっ♡」


「お、おねがぁい♡」


 モンスターたちの目が全員ハートになって倒れていく。

 ダンジョンの最下層にはモンスターのボスだろうか、巨大なオノを持ったオークがいた。


「ようやくあれを突破する者が現れたか。そなたたちを実力者として認めよう。だが、勇者かどうかは別だ。」


「え?お宝はくれないってこと?」


「俺を倒したら勇者と認め、宝をやろう。」


 オークとのバトルが始まった。


「拘束魔法、トース!」


「む、フェアリーの魔法か。だがレベルが低い。俺の力は止められん。」


 オークは斧を振り下ろした!

 間一髪避ける。


「ひええっ!あんなの当たったら死んじゃうよ!」


 慌ててパキイアを重ねがけする。

 ビキカも拘束魔法を何度も試しながら倒す策を考える。


「まともに戦ってはいけません。あ!あそこの隙間に入りましょう。」


 ミモリたちは入口の狭い隙間に入り込んだ。

 オークの巨大すぎるオノは当たらない。


「あ、ここから攻撃できそうですよ。」


「ほんとだ。」


 スネをひたすら落ちてた剣で攻撃する。


「え?ちょっ!そこは卑怯だろ!やめっ!」


 オークを倒した!


「やった!ボス倒しちゃったよ!」


「なんか納得いかないが、約束だから宝をやろう。」


 モンスターの宝石を手に入れた。

 赤色に透き通る綺麗な宝石だ。


「やっと手土産ができた!」


「初の旅の成果ですね!」


 ダンジョンから出ると、兵士たちにかなり怒られた。

 攻略したことは内緒にしたが。


「もうこの大陸の国は全て周りましたが、今後どうします?」


「そうだなぁ。まだ差別を無くすほどの成果は出てないし…。よし、次の大陸に行こう!」


 美少女たちの旅は世界へと続くのだった。

もう少し書きたかったのですが、区切りがいいのできりました。


読んでくれてありがとうございました!

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