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第5話 島国、ヘイヴンウィン諸島

 アステリア公国を抜けて1度フリージュ共和国に入る。

 目指すのはフリージュ共和国の港から約1時間、辺境の島国ヘイヴンウィン諸島を目指す。

 ヘイヴンウィンは大陸から逃げ延びたフェアリー族の建てた国で、フェアリーの文化と島で発展した独自の文化が発達している。


「フリージュ共和国の船どれも大っきいなぁ。おかげでお金がだいぶ減ったけど。」


「さすがピーニ王国と張り合うだけありますね。」


 かなり豪華な客船を1時間堪能する。

 ふかふかの椅子でドリンクを飲んで寝たら着いた。

 もう少し乗っていたかったが旅を続けるために降りる。


「着いた!すごーい!海きれーい!」


「水着も売っているそうですよ。せっかくなので泳いでいきますか。」


 屋台も出ていることから観光業で収益を得ているらしい。

 フェアリーは魔法を使える上、さすがに敵地で差別行為をするやつは少ない。

 近くのマーケットで水着を買って早速海へ。


「ビキカ!えい!」


「あ、やりましたね?えい!」


 この美少女2人に近づける男はいなかった。

 日も暮れてきたので宿を探していると、街らしきものが見えてきた。

 ヘイヴンウィン諸島の首都セレスティアという街らしい。

 街の中心のいちばん大きな宿屋に泊まる。


「新しいところに来たらまずはご飯だよね!」


「ピーニ王国のフェアリーとは違う生活をしているようです。」


 島で取れる果物が普通におかずの中に入っている。

 甘味と酸味のある独特な味がした。


「変わった味だけど私は結構すきだなぁ。」


「匂いは少し苦手かもしれませんが味は悪くないですね。」


 今度は食べすぎないように注意してこのくらいにしておこうと思ったら大量のデザートが出てきた。


「甘い…美味しい…でもお腹が…。」


 今回も結局食べすぎてしまった。

 毎日こんなに甘いものを食べているのにフェアリーたちはみんなスリムで可愛い。


「フェアリーって太らないの?」


「たしかに体重をあまり気にしたことはありませんね。」


「羨ましい…。」


 明日は街を歩いて運動しようと思った。


 建物が円形に作られていて、部屋の中もまるい。

 ベッドも丸いのでミモリの寝相の悪さでも大丈夫そうだ。

 冷蔵庫には水ではなくフルーツを絞ったジュースが入っている。

 綺麗な水を作る技術は伝えられなかったらしい。


「口の中がずっと甘い…。」


「輸入品のヴァルディアの水なら買えますが。」


「ヴァルディアかぁ…。ちょっと品質に疑いが…。」


 明日に備えて寝る。

 翌朝、宿を出て街を散策する。

 まずは昨日のマーケットを見て回ることに。


「服と水着と果物だね。」


「服は買っておきましょう。またどこかで使うかもしれません。」


 フェアリーの衣装の白いワンピースのような形の服を買った。

 首都セレスティアは政治に関する建物が建っているだけであとは宿かスーパーか民家だった。


「観光スポットはビーチだけかな。」


「ビーチがある国はヘイヴンウィンだけなので儲かるんだそうです。あとの国は港や漁港にしてしまうのだと。」


 ヘイヴンウィンのダンジョンは船を使って島を移動しなければいけない。

 ボートを呼んで出航する。


「船はフリージュのほうが大っきいんだね。」


「フェアリーは島からでたら差別の対象ですから出る必要が無いんですよ。」


「いつか島から自由に出られるようにしたいなぁ。」


 ダンジョンのある島についた。

 少し森になっている。


「やばい。こんなに服持ってるのに森に入る装備がない。」


「虫除けならありますよ。植物の汁から作られたものです。」


 少しベタベタしているが問題が解決した。

 意を決して森の中へ。

 辺りがガサガサ鳴っていて動物が多く生息している。


「なんだろ、すっごく大っきい亀がいる。」


「この島の生物ですかね?少し触ってみます。」


「噛まれたりしない?大丈夫?」


 ビキカがわくわくしながら手を伸ばすと、予想通り噛まれた。


「痛い痛い!ミモリさん!助けて!」


「あっははは!」


 ミモリは爆笑してなかなか助けてくれない。

 ビキカは少し拗ねてしまった。


「悪かったって…。」


「酷いです。もう私も助けません。」


 そうこうしているうちにダンジョンに着いた。

 ダンジョンの入口が苔むしてしまっている。


「なんか入りたくないなぁ。」


「行きますよ。」


「待ってよ!まだ怒ってるぅ。」


 ダンジョンの中は別世界のように草原が広がっている。

 何をすればいいのか分からないがとりあえず当たりを探索する。


「あ、なんか落ちてる。羽…かな。」


「フェアリーの羽ですね。なんでこんな所に?」


 ちらほら落ちてるのを見かけるので集めてみることにした。

 レジ袋がいっぱいになるほど集めたところで落ちてる羽が無くなった。


「これで全部なのでしょうか。でも何に使うのでしょう。」


「ビキカ見て見て!じゃん!でっかい羽!組み合わせて作ってみましたー。」


「何を遊んでるんですか。置いていきますよ?」


 ところがミモリの羽が光だし、上空へ飛ばされる。


「ビキカあああ!なにこれえええ!」


「…私が置いていかれてしまいました。」


 上空に部屋があり、そこに飛ばされた。

 部屋にはたくさんの本と1人のフェアリーがいた。


「ふう。急に飛ぶからびっくりしたぁ。まさかほんとに飛ぶなんてなぁ。ん、あなたは誰?」


「私はフェアリーの神、フェアリア。フェアリーの祖先と言ったところかな。」


「フェアリーの祖先…。なぜそんな人がここに?」


「私はヘイヴンウィンを平和な国にしたい。そのために侵略者たちをフェアリーで唯一戦える私が修行のために作ったダンジョンがここだ。」


 ということはヘイヴンウィンを建国したのはフェアリアだろうか。


「このダンジョンのお宝は?」


「あるぞ。ちゃんと準備しておいた。お前のような次の世代の勇者のためにな。」


「ほんと!じゃあ…!」


「ただし、私もタダでは渡さない。どうだ?私と勝負してみないか?」


 ミモリに戦闘能力はほぼないと言っていい。

 1人で国々と戦ってきたフェアリアには武力では到底叶わない。


「やります!ただ、私の戦い方はどんな男も敵わないほど厄介ですよ?」


「ではいくぞ。フェアリーの古代究極魔法、パキイア。」


 フェアリアの攻撃力が上がった!

 フェアリアはミモリにパンチを振る。


「ぐあああ!」


「どうだ?人間族にも通用するこの威力は。」


 だがミモリはパンチで接近してきたところに抱きついた。


「抱きついて何するつもりだ。」


「乙女魔法、ダキオ。」


「聞いたことない魔法だな。んむっ!?」


 ミモリはフェアリアにキスをした。

 もちろんダキオなんて魔法は存在せず、「抱きついて」「キスして」「堕とす」ことである。

 フェアリアは経験にはない攻撃に対応できず、力が抜けていく。


「ぷはっ。あ、降参…っぽいですね。」


「口を塞がれ、力が抜けてタップも出来んとは…恐ろしい攻撃だ…。二度と戦いたくはない。」


 というわけでミモリはお宝を手に入れた。

 ビキカの元へ戻ってお宝を見る。


「おお!これは!」


「魔法の書みたいですが…湿気てますね。」


「ごめんごめん。書き写すから許して?」


 気を取り直して魔法の書を手に入れた。

 これを読むと攻撃増強魔法、パキイアを使えるようになる。

 お宝も手に入れたのでダンジョンを出ることに。


「では、また会いましょうね!フェアリアさん!」


「私はヘイヴンウィンを守らねばならないからな。まあお前たちなら大丈夫そうだ。」


 首都セレスティアの宿でミモリは魔法の本を広げる。


「よーし!魔法覚えるぞー!…ってこれ何ページあるの?」


「通常の魔法で大体300ページですから600ページくらいですかね。」


「そんなの読めっこないよ!ハリーポ〇ターかよ!」


 島生活が決定したミモリたちだった。

パキイアも「パンチ」と「キック」の「威力」を「上げる」ってことだったりする。


読んでくれてありがとうございました!

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