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3 義理の家族

今日3話目です。よろしくっ!

 その日俺は眠くなりながら起きた。

 俺の手の中にあるものを見てニンマリする。


「金だわ。この世は金でできている!」


 美味い飯でも食べに行く、、前に親父さんのところに行かないといけないな。

 今日は肉肉肉肉ぅぅぅぅ!

 肉を食うううううう。

 久しぶりの肉を食う!

 もう、ベジタリアンみたいな生活は嫌だ。

 あの貴族家は俺に野菜生活を強いてたからな。

 野菜ばっかり食べていたら判断力は鈍る。

 そんなことを考えながら、魔力を研ぎ澄ませる。

 魔力量倍加は、超性能的な魔力操作がないと完璧に扱うことができない。

 研ぎ澄まして、その先にいるのが大魔法使いなのだ。

 いつものように、イメージの世界で魔法を使うと‘ヒュン’‘ピカッ’‘ドン’と音がする。

 ……ん??‘ドン’は初めてだ。

 初めて聴いた音だ。

 3っつの音?

 今まで不思議だったことがある。何故3属性を得ることができたのか。

 何故、異常に耳が良いのか。

 でも、今は解ることができない。

 魔力をもっと操作できるようにならなければならない。

 推測を立てる。

 道具があっても、スキルがあっても、使用者が有能でなければ使い物になんてはならない。

 扱い方を正しく把握しないといけない。

 まだ時間はある。焦る必要は微塵もない。

 瞑想をする。坐禅を組む。

 集中していると、いつものように水面に水が落ちる音がする。

 魔力を光の中に入れて、弾かれる。

 そんなことを繰り返しているうちに突如頭痛が走る。


「……っ……う」


 肉体を精巧に弄る。

 光の結界を張るといつもより強力なものができた。

 結界に対して、魔力を大いに含んだ指弾を撃つ。

 その結果光の結界を破ることになる。

 俺は目を見張った。


「まじかよ、全力の魔力を消費したらこんなものなのか。」


 そう言いながら、疲れた様子で服を着替える。

 思ったより時間がかかっていたな。

 シャツにジーンズと薄めの羽織を着る。

 そして、己の体調を確認するかのように、伸脚や屈伸をする。

 そうして宿の扉を開ける。

 今日も平和的な暗殺者の1日が始まった。



 --------------------------------



 やはりこの街発展しているな。


 まず、石畳だ。

 ここまで成功に作ることに力をいている理由としては、商業ギルドがここで商いを貴族とすることもありどんどん大きくなっていったため印象をよくするなどの目的があったのだろうと思われる。

 やはり街を発展させるのはこう言った行為が必要なのだ。

 そして大きな目玉である冒険者ギルドはでかいが木造なため非常に目立っている。

 でかすぎだろ。独の人間の暗殺で観光客に成り切った時に見た、あの超でかい宮殿の半分はある。

 そんな建物を流し目で見る。

 忙しなく人々が動く中、俺は集合場所に赴いた。

 そこには、昨日助けた人のよさそうだが抜け目ないおじさんが立っていた。


「こんにちは。随分お早いですね。」


「はい。少しここらでする用事もあったことですので。」


 用事?なんなのだろう?まあ詮索する話でもない。


「あ、そういえば名乗っておりませんでした。

 名はローランドと申します。」


「良い名ですね。

 私の名はニッケル=シュヴァルツ、娘の名はニッケル=シャーリアです。

 では戸籍変更の役割を負ってる役場へ行きましょう。」


「助かります。」


 まあ下の名前を名乗ってもいいことないしな。

 目線でいわなきてもいいと言われているような気がする。

 気が利く人のいいおっさんだな。


「ところでどんなものを扱っておるのですか?」


 一つ聞きたかったことを聞く。


「まあ、ここにおるものの多くは武器商人だと思うのですが、私はポーション作りの天賦の才がありましてな。

 それ故に、ポーション造りで一代で可能な限り店舗を広げていた結果上級証人となることができたのです。

 だからか、この国に恩はあるので養子を取ることも簡単なのですよ。」


 確かにポーションは便利な道具だし、必須でもあるからこそ高く取引され国お抱えのポーション造り師もいるとかいないとか。


「つきましたね。受付に、えっと……ここで、整理券を貰ってっと。

 うわあ、1時間半待ち!長くないですか!?」


「ここだけの話ね。結構反尾が広く大き商いしている商人の幹部クラスの人材が殺されてしまったそうです。」


 それで取り調べを受けていたりする人が多いのか。


「そういう汚れ仕事では、暗殺者ギルドが引き受けることが多いはずでは?」


「……ふむ、君はこの世界に随分通じているようだが、何者なんだい?君一体。」


「これは、常識だと親にも教えていただきました。

 いや、親ではなく師匠ですね。母親でもあります。」


「……なるほど。そこまで強い理由はそういうことなんだな。」


「納得していただいてとても嬉しいです。」


 そういい、はにかむ。

 しかし、ここまで嘘をすらすら喋れるようになったのも、暗殺者の訓練だな。

 あの地獄の訓練で得た知識がこんなところで役に立つなんてな。感慨深いものがある。


「仮眠をとります。少し夜更かしをしてたもので。」


「了解しました。少ししたら起こしますね。」


 そういい先ほどの瞑想の続きをする。

 さっきとは違い刀を使い舞うイメージをする。

 前世でも、両手に鉄製のナイフを投擲し、仕留めていたりした。

 俺の場合、イメトレで集中力を高めているからな。

 ただ、イメトレだけで強くなれるわけもなく、相手がどんな行動をしてくるかの予想を立てるよりも、事前に時間があるタイミング出来るだけ手を打っておこうと思ったのだ。

 前世で覚えた、『狂気の舞』は道具だよりの俺の主戦力だった。

 剣戟を舞に見立てて迎撃しながら片手には常に余裕のある状態にする。

 本当に苦労したし、恐らく贅力が上の奴らには通じない。

 ただ、技術特化のやつにとっての天敵だったこの武術は世界的にも有名だったが。


「来ましたよ」


 耳元で囁かれた。


「よく眠れたかね?」


 伸びをしながら、「はい」と、答える。


 整理券の番号の下へゆく。


「はい、承りました。

 こちらですね。まずはご署名をお願いします。

 ……、あ、こことここは必要はないです。」


 俺は少し暑苦しくなったので外套のフードを外す。

 少し受付の女性が戸惑った。そこまで醜かったのか俺の顔…

 まあ悲しくなっていてもしょうがない。

 そう思いながら、署名を完了させる。

 髪の毛に埃がついていないかを確認するために髪の毛を少しだけ叩き再び、外套のフードを被る。

 そして、肩の荷が降りたかのように緊張をなくして外に出る。


「ふう、改めて名乗ります。

 ニッケル=ローランドです。よろしくお願いします。」


「これからも宜しくな。しかし、なかなかの美顔だったな。金髪碧眼の美男子って所か?」


「え?みんな僕の顔が醜いから注目するんじゃないんですか?」


 それを聞いた義父は心底不思議そうに


「そんなわけないだろう?君のような優秀な息子を持てて嬉しいよ。」


 そう言われると、心が温まる。

 そして、申し訳なくなってしまう。


「それじゃあ、いこうか。学術都市、ファンファーレへ」

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