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2 暗殺者ギルド

 2030年6月10日


 此処が暗殺ギルドか。

 ただのボロ家じゃないか。

 流石にびっくりしたな。

 そう思いながら暖簾をくぐる。


「……」


「おい、暗殺ギルドに登録するぞ。」


「……」


「ん?これは何だ?」


 紙が目の前に出される。


「はあ、これは何だ!?

 頼む、説明しろよ。」


「はあ、暗黙の了解も知らないのか。

 ここでは基本的喋らない。」


「……」「……」


 ああ、これが気まずいってやつか。

 とりあえず署名しよ。


 得意技、、、気配遮断


 適正属性、、、光、剣聖


「ぶっ…」


 吹いてるな。

 確かに剣聖、光属性持ちが、暗殺ギルドに入ってくるのは頭おかしいな。

 たしかに俺もお前の立場だったら、そうなるわ。


 技巧、、、小剣、双剣、毒物


「ほう、この見た目でここまでできるのか?

 いや、誇張表現してる可能性もあるな。

 おい、毒物と言えば何を使う?」


「ふぐ毒だ。」


「成程な。

 それを使えば毎回毒抜きをしてるなどと言って、料理に使う名目の代わりになるし、魚を買ってカモフラージュしながら、物価の高い国に行って魚の値段を少し上げた程度に変えるだけですぐに売れるしな。

 合格だ。」


 思うことがある。喋らないんじゃないのか。

 そんなことはどうでもいい。


「依頼、高額、手頃」


「110」


 そう言われた俺は依頼が書かれている掲示板に行く。

 これか…

 ‘中型商会主幹部の暗殺’

 割と楽勝そうではある。

 行くか。

 そう言い俺は音もなく、消えていくのだった。


「何者なんだ、あいつ。」


 受付の暗殺者は期待のホープに期待膨らませる。



 --------------------------------



 胸部にナイフを二本仕込む。

 その2本には念入りに毒が塗られている。

 それ以外に、腰に二本の刀を拵える。


 俺の持っている剣聖のスキルの紹介をしよう。

 まず、大前提として剣聖は全ての剣術が扱えるようになる。

 そして、感覚鋭敏、腕力強化、脚力強化、剣筋強化、この四つのスキルが剣聖の強さだ。

 実質五つのスキルを持つことができる希少属性なのだ。

 魔法は想像力。

 つまり、光は元あの世界にいた俺にとって最高のスキルなのだ。

 光属性は、回復魔法の隣いることで効力が1.5倍なのだ。

 要は光魔法は回復魔法使いの近くにいるだけなので一人でいいが物凄く少ない。

 俺にはまず3つほどの使い方を思いついた。


 一つ目は光剣(ライトソード)の顕現だ。

 これは毒殺はできないが高火力だし目立つ。

 そして何より、裏世界の住民ではないアピールが容易だということなのだ。


 二つ目は光学迷彩である。

 これは、色彩を利用して、瞳孔に光が入らなくする物である。

 光を完全に透過・回折させる。しかし、この方法の場合、相手から見えないだけでなく、こちらから相手を見ることもできない。(同じだった場合)


 三つ目はレーザーガンだ。

 これは、主に指で鉄砲の形を作り、そこから光線を打ち出すことができる物なのだ。

 狙撃が安定択なのだろう。


 この三つで仕留める。

 しかし、しばらくは光線を多用することになるだろう。

 何せ、遠距離狙撃だ。

 汎用性と安定性がものすごく高いのだ。

 乗合馬車(ヒッチハイク)で、標的のいる町に向かうのだった。



 -------------------------------- 



2030年7月5日


「おい、魔法を使えるものはいるか!?」


 冒険者のリーダーが叫ぶ。


「まずいことになった。巨大犀(ジャイアントサイ)に遭遇した。」


「魔法は使えます!」


「援護を頼む!」


 冒険者は切り込んでいるが、傷一つつけられていない。


 魔法による援護があったとしても勝つことは難しいだろう。


「援護します。」


 そう言いナイフを投擲する。

 レーザーガンに光学迷彩を掛けてついて行かせる。

 巨大犀(ジャイアントサイ)の足を貫いた。


「Bumoooooo」


「トドメだ」と言い、双剣を振りかぶる。

 そして、足を切り込めて、両断した。

 ギラリと光ったものを見て少しカッコよさを感じた。


「助かった。小人族(ドワーフ)なのか?

 そこまで小さいのによく、ここまでの剣技を身につけたな。」


「ありがとうございます。」


「ねえねえあれってどうやるの?

 ものすごくカッコよかったよ!」


 可愛い女の子が話しかけてきた。


「えっと、企業秘密だよ。」


「ちぇ〜」


「僕は王立魔法学園に行くつもりだ。

 特殊スキル持ちだからね。」


「だったら学園で会おうね。すぐに出ていくかもしれない?」


「いや。ただしばらくここら辺で魔物の収集をしていこうかなって。

 でも僕身寄りがいないんだ。」


 ここで大きな問題をクリアできるんだったら願ったり叶ったりだ。


「父様」


「ああ、わかってる。養子として育ててあげよう。

 明日は大丈夫かい?」


「今日は予定が入ってるから無理ですが明日は大丈夫です。」


 予定という名の暗殺だな。


 〜〜〜


「ここで大丈夫です。有り難うございました。」


 近くの草原におろしてもらった。



 --------------------------------


2030年7月6日


「おお」

 城壁を見て、思わず感嘆の声を上げる。

 それもそのはず、50メートルほどの巨大な城壁が目の前に広がっていたのだ。

 国境の最大の城砦である、メルト城だ。

 この街の作った人物の名前をとったと言われている。

 そして、門番に止められる。


「おい、坊主。どこからきた?」


「ちょっと魔物狩りに行ってきた。パパはもうこの中に入ってるって。

 これを使えば入れるって言ってた。」


 そう言い、通行書を出す。


「おう、そうか。」


 そういい門番のイカついおじさんは、頬を綻ばせる。


「頑張れよ。」


 それに俺は刻々頷く。

 そういい人混みの中に溶けていく。


「不思議な子だな」


 結構心配したが、それはすぐにこの街から出て行ったのであった。



 --------------------------------



 宿で個室を取る。

 紹介が見える位置で個室を取れた。

 窓の外を見ているふうにして外を観察する。

 ターゲットを見やすい位置を取れたのは僥倖だ。

 自らの体に光学迷彩と、脚力強化をかける。

 音を立てないように意識しながら歩く。

 そして商会の内側に入ってゆく。

 扉の前には護衛が二人立っている。

 事前に用意していた手錠を片手に銃口を向ける。

 2発発砲しても余裕だな。

 そう思いながら、その扉をノックする。


「何用だ?」


「殺しに来た。」


「……っ!


 そう言い俺は、扉を開けて爆速で入り、そいつの首元にナイフを当て猿轡をして、そいつに光学迷彩を施し、巨大なバッグの中に入れて暗殺ギルドへ向かう。


「暗殺ギルドはどこもボロいな。」


 そんなことを呟きながら暖簾をくぐる。


「110完遂。まだ殺してない。

 人体実験用。特別報酬。」


「助かる。」


 そう言い金貨五十枚を渡される。

 特別報酬として、金貨百枚増量だ。


 この世界では鉄貨1円銅貨100円銀貨1000円金貨10000円白金貨100万円と言った感じで、白金貨は普通市井に出回っていない。

 こんな物価になっている。


 金貨を片手に凱旋していく。

 いざいこう。王都へ!


 ってまだ養子になってないわ。

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