断罪者2
残酷な描写が含まれる事がありますが…
よろしいでしょうか?
第2章
「牙我!!牙我!!目を開けてよ!!」
「ん…ここは…?」
ゆっくりと目を開けると眩しいくらいの日の光に思わず目を細める。
目の前には泣き晴らした赤い目の蓮華が居た。
まだ頭は痛いが蓮華から水をもらっていくらかはマシになってきた。
「俺は…一体…」
「あんた疲れ過ぎなのよ!!」
蓮華の説明によると過労のし過ぎで倒れたらしい。
過労のし過ぎ?大人じゃあるめぇし…
それにさっきのは…夢…?
やけに鮮明にはっきりと思いだせる。
あの気味の悪い歌を思いだして思わず身震いした。
「牙我…寒いの?」
気遣った様子の蓮華にあわてて否定するとため息をついた。
「断罪か…」
あれは何だったんだ?それに俺が何の断罪を犯したって言う。
「断罪…?」
「何か知ってるのか蓮華!?」
「うん…この地方に伝わる有名な伝承の中にね
確か断罪の唄って言うのがあったと思う。」
昔々あるところに
お国のためにと闘って
戦で死んだ亡霊が
骨火山の頂きから
悪い子を迎えにくるよ
断罪だ~♪断罪の子は
骨火山に連れてかれるよ~♪
「その…歌だ…」
あの時の記憶が頭の中を駆け巡る。
ん…よく考えればこの唄おかしくないか。
何で戦で戦って死んだ奴らが断罪者を迎えに来る。
もしかして…他にもこの中に込められた意味が………
無い知恵を使って考えている俺を何事かと蓮華は騒いだが、気にしないでおこう。
「あんた!!また変な事考えてるんでしょ!!」
うっ…またガミガミ説教する気か…
「もう…いい加減にしなさいよ…」
「えっ…」
予想外だった。
まさかあの気が強い蓮華がいきなり泣きだすなんて…!?
「ちょっ!?俺なんかした?」
俺は慌てて弁解しようと必死に右往左往する。
蓮華は違うと言って首を縦に振って
顔をあげると真っ直ぐにだけど力強い光を宿した瞳で
「あんたまで…私の前から居なくならないでよ…」
つーと涙が頬を伝って落ちる。
今まで思ってたよりもこの少女は強いのかも知れない。
蓮華は俺がずっと見てたせいか恥ずかそうに笑って慌てて涙を拭いた。
「ごめんね…何か変な空気にして………私そろそろ家に帰らなきゃ」
「ん…?」
外を見るともう太陽が沈みかけていた。
どれくらい寝てたんだろう。
「蓮華…またなっ♪」
「うん!!今度は授業サボるなよー!!」
はいはい…蓮華を家の近くまで見送ると
来た道を戻り始める。
ガサガサッ
「!?」
辺りの森で何かが蠢いてる音が聞こえた。
気味が悪くて俺は周りに警戒しながら速足で家へと向かう。
家が見え始めた時だった。
何か黒い影が見えた。
あれは…何だ…?
最後まで御観覧感謝申し上げます。