始まりの夜空
不定期更新です。
8月中旬、夏休み。多くの人は、日中、遊び疲れて寝ているか、ゲームをしてるかだろう。
僕は今、望遠鏡を覗き、星を見ている。
子供の頃、いくつあるのか数えてみたけど結局、数え切れなかった満天の星、よく見ると沢山の色でできていると分かる綺麗な藍色の夜空。空は青色。ある学者によると空が青いのはレイリー散乱という光が散乱してできる現象で青色に見えるらしい。
思えば5歳の頃、両親に科学館へ連れられたとき、空が青い理由をそうやって聞いたのが原因なのかもしれない。
友人関係が上手くいかず、成績も伸び悩んでる僕にとって、空を見ることは、謂わば現実から目を背ける為の一種の自己防衛なのかもしれない。自己防衛と言えば聞こえはいいが、ただ逃げているだけだ。
自己防衛は、自分に悪影響が及ばないように守ることだ。僕の場合、守るのではなく逃げる。
さらに言うと、悪影響から守る為でなく、努力をしたくないだけであり、そちらの方が悪影響があるのだから救いようがない。そんな自己嫌悪に苛まれながらも、僕は望遠鏡を覗き、数々の星を見る。
「日向、何時まで起きてるのよ。早く寝なさい。」
どうやら、母が心配して部屋に来たようだ。僕は、急いで望遠鏡を片付けながら
「わかったよ。」
と、無愛想に言った。
「日向自身の事だから多くは言わないけど、悔いの残らないようにはしなさい。」
そう言うと母は出ていった。おそらくは、進路の事だろう。今の僕は勉強に身が入っておらず、何かあると直ぐに、空に逃げる。そんな僕に向けての一言だった。
「ん····あれは何だろう····」
母が出ていってからも、思い詰めていた僕はふと、星々が輝く夜空に黒い影を微かに見た。気になった僕は、望遠鏡を再び取り出し、その場所を見ることにした。