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百九十八話

その時だった


「ドーンッ!!」


横から強烈な蹴りが魔王に入った

魔王はその衝撃をまともに受けた


「き、貴様は!? なぜここにいるんだ!!」

「何でって いちゃ悪いのかよ ええ?」


横から魔王に強烈な蹴りを入れたのは俺たちの誰かではない

城の壁を突き破るくらいの衝撃で入ってきた


その者は上から下まで真っ黒な服に身を包んでいた

手には何も持っていない 魔王城に身一つで乗り込んだっていうのか!?


「い、いやあ そういうわけじゃないけど 今は、ほら 戦ってる最中だし」

「こいつらか フンッ 大して強そうには見えねえけどな それよりも俺と遊ぼうぜ! 何年ぶりに体を動かしたかな?」


その男は片腕をブンブン振り回す

俺が止めようとするが、ものすごい気迫で


「雑魚は下がってろ」


と言われ、何もできなかった

こいつからは猛烈な殺気を感じる

関わってはダメな奴だと本能が言っている


「魔王ってのは強いんだろ? そんなら俺を楽しませてくれよッ!」


男は魔王に馬乗りし、拳を振り上げた

その時 魔王が俺を見て何か言いたげな顔をしていたが俺には分からなかった


そして魔王は男の一撃によって、闇へと葬られた

俺達は状況が理解できず、その場にポカンと立っていた


「せっかく遊べると思ったのに」

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