百八十四話
ルナがレフコンをなだめる
ルナには俺の考えが分かったのかもしれない
「ここは勇者に任せましょう 私たちは私たちにできることをしましょう」
レフコンはルナの言葉を聞いて落ち着いたようだ
俺は母親に話しかける
「俺があなたの娘さんを助けに行きます 声が出せないのですよね? 何か娘さんの好きなものとかありませんか?」
「あの娘の好きなもの…… そうだわ これを持っていって そうすればあの娘も落ち着くはずだわ」
母親は俺に一つのお守りを渡してきた
お守りには笑顔が金色で刺繍されていた
「ありがとうございます」
「絶対連れて帰ってきてちょうだいね!」
「ええ、必ず連れて帰ってくると約束します」
俺は母親にそう言い、ルナとレフコンの方を見る
二人は、まだ心配そうな顔をしていた
「勇者 帰ってこなかったら、ユユが怒るわよ?」
「ああ、そうだったな」
「ユユだけじゃなくて私も怒るからね?」
ルナがさらに圧をかけてくる
分かったって ちゃんと帰ってくるから
「勇者殿のお帰りを、ここで待っています」
レフコンはそう言って、静かに笑った
レフコンなりの優しさなのだろう
俺はたくさんの人に見送られ、再び青い炎の中に向かった
それにしても どうしてこんなことになってるんだ?
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