百七十三話
「んん…… ここは?」
俺は頭痛で目が覚めた
頭が痛い お酒を飲んだせいだろうか
それにしても昨日の記憶があいまいでうまく思い出せない
「ようやくお目覚めかい 勇者様」
俺の目の前にはイーリスがいた
その姿を見て、俺は昨日のことを思い出した
「イーリスッ! お前は何をしたか分かってるのか!?」
「ああ 分かっているとも 分かっているからこそ今君を生かしているんじゃないか」
イーリスは自信たっぷりに言う
俺がイーリスのところに行こうとしたとき、俺の体がどうなっているのかを理解した
俺の体は壁に張り付けられており、両手も鎖でつながれ身動きが取れない状態になっていた
「これは何のつもりだ!」
「何のつもりも私はあなたに興味があるからです 勇者たるもの体内にどんな美しいものを宿しているのか 私、とても気になります!」
こいつ 狂ってやがる
このままだと俺の命が危うい
ルナやレフコンも同様 お酒で眠らされたのだろう
「何が目的だ」
「目的はあなたですよ、勇者 私はあなたの中身に興味がありましてね 実際 他の冒険者たちも中を見てみたんですが大したものは見つからず、その冒険者たちは中をいじられる感覚に耐え切れなかったようで皆倒れてしまった」
とことん狂ってやがる
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