百七十一話
ルナは完全に出来上がっていた
目の前に空瓶を並べ、ベロベロになっていた
「おいおい 飲みすぎなんじゃないのか?」
「だーいじょうぶよ こんなの序の口じゃない ヒック」
ダメだ 話にならない
レフコンの方は……ってレフコンも出来上がってるう!?
「あの女性は、お酒に弱かったみたいですね さあ 勇者様もお飲みになりませんか?」
「勇者あ あんたも飲みなさいよお」
「勇者殿お 一緒に飲みませんかあ?」
三人に攻められて俺も成す術がない
俺は覚悟を決めて、お酒に口をつける
「うっ!! これが一番弱い酒なのか?」
「ふッ そんなはずないだろ」
イーリスの口調が変わった
レフコンが言っていたのは、あながち間違いではなかったというのか?
「私が何も考えずに君たち勇者を出迎えたはずがないだろう! 勇者には特殊な力が宿っているといわれている そんなことを言われれば、気にならないはずがないッ!」
イーリスの言っていることが理解できない
頭がふわふわする どこか遠くに行ってしまうような不思議な感じになる
「そろそろ効いてきた頃か さすがの勇者も、お酒には弱いだなんて知らなかったな」
「な、何を……」
「なあに 大したものじゃない 死にはしないさ」
その声を最後に、俺の意識は消えた
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