十七話
「余計な話をしてしまったな 忘れてくれ」
シェルドはそう言って中へ戻って行った
そんなシェルドの後ろ姿はなんだか輝いて見えた
しばらくして、ギルドが静かになった
そーっと扉を開け覗いてみると、皆眠っていた
だから静かなのか
俺はみんなを起こさないように静かに中に入る
ギルド内は酒の匂いが充満していた
俺の嫌いな匂いだ
テーブルに酒の入ったグラスがひとつ置いてあった
誰かの飲み忘れか? それにしては綺麗すぎる
グラスの近くには書置きがされていた
『勇者の分 絶対に飲むんだよ! ルナ』
あいつ…… そんなに俺に飲ませたいのか
まあ、飲めないわけじゃないから少しくらいなら
俺は酒の入ったグラスに口をつけた
グラスをゆっくりと傾け、酒を飲む
「うぇ…… やっぱり苦手だ でも、前に飲んだ時より美味しい気がする」
その夜、俺は空のグラスの前で突っ伏していた
酒に弱いやつが飲むんじゃなかったな
翌日、俺はギルドで目が覚めた
昨日のことはよく覚えている
忘れるはずがない
下ではだらしない格好をしたルナが眠っていた
ただでさえ小さな胸が見えそうだ
俺がそう思うと、石ころが飛んできた
ルナが無意識に飛ばしていた
女の勘って怖えー!
俺は寝ているルナを無理やり起こすことにした
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