百六十八話
「王様の雰囲気、なんかおかしかったわね」
「ああ 何か俺達に隠しているようにも見えたな だが、約束は約束だ 守らないと」
こうして俺達は五石のうち四つを集めた
それは魔王と戦う準備ができたということだ
「勇者殿、緊張しているのか?」
「いや 武者震いだ 勇者の俺が緊張するわけ」
「そんなに足を震わせて言っても説得力ないわよ」
誰だって緊張するだろう
あの最強と謳われる魔王と戦うのだ
緊張しない方がおかしい
「おや お久しぶりですね」
「確か イーリス 何日ぶりだろうか!」
前にルナの故郷の図書館で会ったっきり一度も会っていなかった
魔王が封印されていないと教えてくれたのもこの人だ
「魔王討伐への準備は整ったようですね」
「ああ でも五石の一つが集まらなかった」
「五石? ああ 特別な力を宿していると言われる石のことですか それぞれの街にあるはずですが 集まらなかったというのは?」
俺は今までの経緯を教えた
レフコンはなぜか警戒していた
「なるほど 東の街だけ五石を使っていてもらうことができなかったと あそこはどの街よりも栄えていますし、五石の力を使っていてもなんら不思議はないですね」
飲み込みが早くて助かる
それにしても イーリスはいつも何をしているんだろう
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