百五十九話
その島はあまりにも荒れ果てていた
誰も管理していないのだろうか
「気をつけろよ おいらがいた頃とは違うものがでるかもしれないからな」
「はい 分かりました」
俺達は静かに息をのむ
鳥が鳴く 風が吹く
人の声は聞こえない
「確かこの辺に埋まっていたはずなんだが おい、ここを掘ってみろ」
俺は先代の勇者に言われ、砂浜を掘ってみる
そこには、頑丈に鎖が巻き付いた箱が入っていた
「これは?」
「この中に五石が入っている」
この厳重に保管されている箱を開けろっていうのか?
なんか開けちゃいけない気がしますが いいんでしょうか?
「何を怖がってるんだ それでも勇者か?」
「勇者でも躊躇することくらいあるでしょ!」
俺は警戒しながら鎖を解いていく
箱のふたを開けると、中には緑の石が入っていた
「よかったな これで残りは二つだ」
「それにしても、先代の勇者さんは五石の存在を知っていたにも関わらず魔王を倒すことができなかったのはなぜですか?」
俺はここで一番気になっていることを聞いた
チャンスはここしかないと思ったからだ
「その話はできればしたくないんだが」
「その話が俺達の今後の参考になるかもしれないじゃないですか」
「私も気になります 教えていただけませんか?」
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