百五十五話
「先代の勇者 時間はある?」
「まあ、急いでどうという話はない 別にゆっくりしてもいい」
先代の勇者からそう言われ、俺はルナの傷を治すことにした
治すと言っても、ただポーションをかけるだけだ
だが、ポーションがすべての傷を癒すかと言えばそうではない
確かにポーションは使い勝手がいい
傷口にかければ痛みは一瞬で消える
しかし、痛みが消えるのも一瞬のこと
ポーションには弱点がある
薬草は体内から完全に治せるものだ
簡単に言えばポーションは痛み止め的なものだ
ポーションをかけた後は、ちゃんとした処置を行わなければいけない
でないと、炎症を引き起こす原因にもなる
「ほら、足見せてみろ」
「急に触らないでよ! びっくりするじゃない!」
騒ぐルナを無視しながら、俺は傷口にポーションをかける
ルナが痛そうな表情をした
それも、俺は無視する
「できたぞ ここからはお前しかできないんだから」
「分かってるわよ うるさいわね」
ブツブツ言いながら、ルナが自分の足に魔法をかける
ルナの顔に小さな汗の粒が浮かんでいる
「……はあ できたわ」
「そうか なら薬草嚙んどけよ」
俺はルナに薬草を渡す
ルナは渋々俺が渡した薬草を口にくわえる
「レフコン こいつらはいつもこうなのか?」
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