百四十四話
ルナは本当に心から謝っているようだ
表情から察するにそんな感じをしている
「まあまあ もう謝っているじゃないですか」
レフコンが俺に言ってくる
特に怒ってはいないが そう見えたのなら謝ろう
「じゃあ 海に入ってもいい?」
「あ、ああ いいぞ でも少しだけだぞ?」
「ありがと やったー!」
ルナはそう言って一人で海に飛び込んでいった
レフコンも後に続いてゆっくりと入っていく
俺もこれを機に海に入ってみるか
そうそう海に入ることはないだろうし
俺は若干緊張しつつも海に入ってみる
海の水が体に触れて気持ちいい
「勇者って海に来たことあるの?」
「あるのはあるけど、数えるほどしかないよ?」
俺は昔のことを思い出してみる
海へ行くような用事もなかったし
「ほら 魚だよ 見たことある?」
「動いている魚は見たことないな」
勇者として旅をしていた時は、魔物としか関わることがなかったから、小さな生き物を見ている暇もなかった
たまには周りを見るのもいいかもしれないな
「たまにはこういうのもいいでしょ?」
「そうだな こういうマッタリするのもいいな」
皆から勇者と言われている俺だが、こんなにゆっくりすることは考えてもいなかった
俺も人間なんだ たまには休憩をしないといけない
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