百四十三話
「だが、お主はまだまだ強くなれる 海の支配者が言うのだ 間違いはない」
海の支配者は俺の肩を叩いて言った
その言葉に少しだけ勇気をもらえた気がした
「ちょっと、私のこと忘れてないですかあ?」
ルナが口を挟んできた
声に若干苛立ちを感じる
「分かったって なあ、ルナのこと解放してもいいんだよな?」
「ああ、もうそいつに用はない」
ルナは泣きそうな顔をしている
海の支配者もそんな言い方をしなくてもいいかもしれないが
まあ、今回はルナの自業自得だし しょうがないか
「じゃあ 俺達は帰るとするか」
「そうですね 帰りましょうか こちらの用も済みましたし」
俺達は陸に戻ることにした
海の支配者はまた機会があれば来てくれと言っていた
そんなに行くことはないと思うが
「勇者 ここの五石を集めた時に何をするか覚えてるわよね?」
ルナが俺にそう言って詰め寄ってくる
俺は覚えているが、あえてとぼけることにした
「ん? 何か言ってたか?」
「ええー 忘れちゃったの?」
ルナは頬を膨らませて答える
「海で遊ぶって言ったじゃん!」
「そうだったか?」
「そうだよー」
「でも、ルナから謝罪の言葉をもらってないんだが?」
逆にこちらから近寄ってみる
ルナは顔を赤くしている
「それはごめん」
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