百三十六話
ルナは知っている
勇者が傷ついていることを
勇者は悩みを一人で抱え込み、決してその辛さを表に出さない
ものすごい精神力だ
ルナには到底耐えられそうにも無いほどの辛さを勇者は一人で引き受けている
ルナも勇者に何度か、手伝うことはあるか とたずねるが答えは決まって
「大丈夫」
の一言だけ
それでも私が無理やり手伝おうとすると怒ってくることもある
その時の勇者はとんでもなく怖い
どうして悩みを一人で抱え込むのだろうか
どうして誰かに助けを求めないのだろうか
ルナは勇者をいつも心配していた
勇者は一度だけ倒れたことがある
その時は仕方なく、ルナたちに協力を求めてきた
勇者の表情は決して明るくなかったが、勇者の役に立てた
その事がルナにはとても嬉しく感じた
ルナは勇者に無理だけはしないで欲しいと何度も伝えた
勇者はいつも笑顔で大丈夫 心配するなと答える
でも、ルナはその表情の裏に何があるのかを知っている
黒く暗くおぞましい程の感情 それを勇者は必死に押さえつけている
レフコンにも勇者のことを気にかけてくれるように頼んでいる
もし、レフコンが何か気づいたようなら話をしてくれるよう言っている
魔王を討伐のために、万全な体調と精神状態を維持していきたい
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