百三十四話
ユユにそのことを告げると、目から涙が零れ落ちた
ユユは本当に俺のことが好きなんだと感じた
「ほら 勇者様も困ってるでしょ もうお姉ちゃんになるんだから泣かないの」
「でも、勇者様と離れるのは寂しいよう」
ユユはそう本音を漏らし、大泣きし始めた
別れというのはいつも辛いものだ
かの俺もそうだったように
あの時も俺はユユと同じように泣き喚いた記憶がある
俺が勇者になったあの時、初めて別れというものを経験した
あの時、どんな感情だったかうまく思い出せない
あまりにも衝撃が強すぎて忘れてしまったのかもしれない
でも、ユユの気持ちは痛いほどわかる
「ユユ、俺はこの国を守るために行動してるんだ 俺はこの国のすべてを回るつもりだ 俺達はここに必ず戻ってくる その証拠にこの数珠を預けておく」
俺はシェルドさんからもらった数珠をユユに手渡した
この数珠がユユに何があっても守ってくれることだろう
さらにルナの魔法をかけてもらった
「これでより強力なものになったわ この数珠には約束の魔法をかけておいたわ もし勇者が帰ってこなかったらユユ自信が勇者のもとに飛ばされる強力な魔法よ」
おいおい そんな強力な魔法をかけなくてもいいのに
そんなに信用されていないのか?
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