百三十三話
五石? それはどんなものなんだ?
「五石というのはこの国に散らばっている強大な魔力を持つ石のことです その五石を集め使うことができるのは魔剣を持つ者のみ、とされております」
そんなものもあるのか
俺が探している物とはまた違うのか?
「そんなことはないと思います 五石もそれなりの力を有しております 勇者様の力にきっとなれることかと」
「魔王を倒せるくらいの力があるのですか?」
「使いようによっては可能ではないことかと」
なるほどなるほど
神器とは別物だが、神器でなくとも魔王を倒すことは可能か
今から神器を探すにしては、時間がかかりすぎるかもしれないな
「分かった その五石の場所について何か知っていることはないですか?」
「私も詳しくは分かりかねますが、噂程度に聞いたことはあります 東の街は街の中、西の街は島の中、南の街は海の底、北の街は穴の中と言われています」
それぞれが様々な場所に置いてあるのか
これは一刻も早く行動しないと
「勇者さんたち、もう行っちゃうの?」
ユユが悲しそうな目で俺の方を見てくる
そんな目をされても困ってしまう
俺は勇者としてこの国を守るという責務がある
ユユには悪いが、その責務を果たすまではゆっくりできないのだ
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