百二十九話
「そうだそうだ 俺達に出会ったのが運の尽きって訳さ」
「そこの女は上物だな あの女は殺すなよ 男は必ず殺――」
そう言った男の頭が地面に転がった
早い、早すぎる こんなことができるのはこの場で一人しかいない
「あまりにも不愉快だったので よろしかったですか?」
「あ、ああ 元々こっちが負ける算段なんか見えてないからな」
そう言って俺も剣を構える
そういえば、赤い宝石は俺が持ったままだ
俺が赤い宝石を取り出すとその宝石はひとりでに動き出し俺の剣にあるくぼみにピッタリ収まった
変なくぼみがあると思っていたが このためだったのか
「変なことをしやがって! てめえらぜってー皆殺しにするっ!」
「さて、それはどうかな 俺が盗賊ごときに負けるように見えるか?」
俺はともに剣を交わす男に言う
男の目には若干の焦りが見えている
「確かに、お前からは勝利の匂いしかしない 俺達が勝てるかどうかは分かり切っていることだ」
「では、なぜ辞めない?」
俺が男に問う
男は、急に薄ら笑いを浮かべる
「簡単さ 俺達は戦いが好きなんだ 人を殺すことなんて作業の一環でしかねえ あいつもそんな感じだろ」
男はレフコンを見る
レフコンは一人で数人の相手をしている
盗賊相手に一歩も引いていない
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