百二十話
「ここに住んでいた人たちはどうした!」
「そう怒るな こいつも殺してはいないさ まあ、殺すよりも痛い目にあわせているが」
キリリスは気を失っている人の顔を踏みつける
その人は男のようで顔は見るも無残な姿になっていた
「それにしてもここはいいなあ 北の街は雪で一面覆われている それ以外何もない」
「何が言いたい」
「いや こんな場所じゃあ、邪魔も入らないしな」
邪魔? 何を言っているのだ?
それに、その男をどうするつもりだ
「もうこいつに用はない 必要なものは手に入れたからな」
「必要なもの? 何のことだ?」
「言えるわけないだろ そんな秘密裏にしていること」
キリリスはかなり口が固いようだ
これ以上有力な情報は聞きだせそうにない
「じゃあな 俺のことはこれ以上詮索しないでくれ」
キリリスはそう言って、空に飛んで行った
あの時と同じだ あの時はまんまと逃げられてしまった
今回はそう簡単に逃がしたくない
「おい、待てっ! 話はまだ!」
「そんなこと言って待つやつがどこにいるってんだ」
今回もまんまと逃げられてしまった
してやられたってわけか
「追いましょうか?」
「いや、そこまでしなくていい 捕まえても何も情報は吐かないだろうし」
「そうですか 勇者殿が言うなら」
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