百九話
先代の勇者 俺が探し求めている伝説の存在だ
魔王とも互角に戦い、激闘の末 魔王を封印したと言われている
だが、今はそのことにも違和感を持ち始めている
魔王の幹部が言っていた通り、魔王は封印されていないと思うようになってきた
本当のことを知るために先代の勇者に会わなければいけない
「その先代の勇者様はどこに!?」
「勇者、落ち着いてよ 魔王が封印されたのは何百年も前の話でしょ? もし、勇者がただの人間なら……」
興奮する俺にルナは最後を濁した
冷静になって考えればそうか
勇者も人間に違いない
そんな何百年もたった今、生きているはずがない
俺はガッカリと肩を落とした
「先代の勇者様はとうの昔に亡くなってしまっているが、会うことはできるぞ」
「「ええ!?」」
俺とルナは同じ反応をした
亡くなった人物に会うことができるのか?
「普通の人には使うことができないけども、魔導師様に頼んでみれば会わせてくれるかもしれないぜ」
魔導師、か……
俺にはあまりなじみのない言葉だが
ルナは口に手を当てて驚いている
ルナは、魔導師について知っているのか
魔法使いも魔導師と似たようなものなのか
「魔法使いとはまた違うわ 魔導師は魔法 魔術を極めた者に与えられる称号よ」
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