百四話
「あ、あのー 僕にも少し分けてもらったり」
「えー 分けてほしいの? でも、君は魔王軍の幹部だしなあ どうしよっかなー」
ルナは高級そうな魚介を箸でつまみ、テロスに言った
テロスはその魚介を目で追っている
両手は後ろで縛っているから、何もできないはず
今のテロスはただの子供だ
レフコンがテロスに料理をつまんで差し出した
レフコンの急な行動にテロスは若干緊張していた
だが、レフコンの静かな瞳を見ると口を開け食べた
「レフコン! そいつは魔王軍の幹部なんだよ? そんなことしちゃいけないわよ!」
「別にいいのではないでしょうか 幹部に優しくしておけば後々いい事があるかもしれないですしね?」
レフコンはテロスに聞かせるように言った
テロスは、首が取れるんじゃないかという勢いで縦に振っていた
「うんうん 僕にはこれ以上話せることはないけど」
「「はあ??」」
俺とレフコンは同時に言った
もうこいつから聞ける情報はないのか
「ほ、ほら もっとないのか? 魔王の弱点とか」
「最強の魔王様に弱点なんてないよ!」
「なら、好きな食べ物とか」
「ねえ、そんなの聞いて何になるの?」
俺の質問はテロスに諭された
今頃聞いてもどうしようもないか
その後 俺達は黙々と料理を食べた
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