一話
勇者は魔王を討伐する旅に出る 不安もあるが俺にしかできないから
「勇者よ お主に魔王の討伐を依頼したい」
王は言った
俺はこの国の勇者
この国を守るためにそれはそれは色んなことをしてきた
そして、ついにこの日が来た
魔王の復活、そしてその討伐だ
魔王は歴代の勇者が封じたと言われていたが、近年になり復活を果たしたという情報が入った
当時の勇者ですら倒しきれなかった魔王を俺が倒せるのだろうか
不安でいっぱいだ
「勇者様 あなた様が必ずや憎き魔王を倒し、この国に平穏をもたらしてくれることを願っています」
王の隣にいた王女が口を挟んできた
王女は俺と同じくらいの年齢に見えたが、いくつなのかは知らない
ただ、この国の誰よりも美しいのは誰が見ても明らかだった
王から直々に与えられた勇者の装備を静かになでる
この装備にも、ずいぶん助けられたもんだ
今回も活躍してくれよ、相棒
「さあ、行くがいい! お主が魔王を倒してくれることを心から願っておるぞ!」
王は俺にそう言って、手を大きく横に振った
さて、俺も出発するとするか
だが、いくら俺が勇者だからと言っても油断してはいけない
相手は、かの凶悪な魔王だ
十分に準備をするに越したことはないだろう
俺は店で薬草やポーションを買うことにした
薬草はともかくポーションは必須だ
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