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時間の奴隷

作者: Soraきた

雨粒の大きさから傘もささずに通り過ぎる街の静けさ

吐く息も君の分までは気づかない

約束した場所に

約束した時間に

たどり着いた僕は

時間(とき)の奴隷となって

そのあとの行動をすべて、時に縛られ冷蔵庫る

早足の僕に

君は何も言わずに

微妙な距離を残さない

気がつけば

少しななめ後ろから

白い息が舞い上がる

ごめんね

寒かったね



たくさんの買い物袋を

両手に抱え込んですれ違う

もうすぐやってくるイベントのためだろうか

その表情は荷物に隠れてよく見えないけれど

きっと笑顔いっぱいでいるんだろう


何か、しあわせの方向に向かおうとしていること

それは、とてもステキなこと

この夜も

向こうの空の下の

まだ明るい部分も


暖かい陽ざしは当分、期待できないから

今日は、

この手のぬくもりをずっと忘れないように

傘を支えるお互いの手を離さないで

雨が止んだ、しばらくあとでも



超えてゆく

キミの気持ちを

僕は一瞬のうちに超えてゆく


ふたりのいまの気持ちなら、

時間さえも

追い越していく











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