ー召喚状ー
ーー ”TRUMP”の拠点ートイ・ボックスー ーー
「ボス、特殊警察からボス宛に手紙が届いてますよ。それにしても一体どうやってここがわかったんでしょうか?」
「多分剛田とかいうのと握手したときだな。人の接触から追跡できる異能くらい特殊警察なら抱え込んでるだろう。」
「なるほど」
「さてさて、一体どんな内容なのかね?」
特殊警察から届けられた手紙を開き、藤堂はしかめた面をした。
「召喚状か、また面倒なものが送られてきたな。」
「この間もろに力を見せてしまいましたからね。しかたないでしょう。」
「特殊警察としても危険分子は無視できないってこった。」
そういうと藤堂は、
「影山出払ってるやつも含めてメンバーをここに集めてくれ。」
「わかりました。」
「ゲート」
影山が発動させた異能が各地のメンバーに黒い扉を届ける。
数分すると、メンバーが黒い扉を使ってートイ・ボックスーへと戻ってきた。
円状の机に14人メンバーが等間隔に座っている。
「みんな忙しい中よく戻ってきてくれた。」
藤堂がそう言うと13人のメンバーが一斉に藤堂の方を向く。
「わざわざ全員を呼び戻すなんて一体何事なんだい?マスター。」
藤堂をマスターと呼ぶのは、月島響だ。
「特殊警察から召喚状が届いた。」
そう藤堂が告げると、メンバーたちは13人13様の反応を示す。
面白がる者、面倒くさそうな者、テンションが上っている者反応は様々だ。
そんな中、藤道が口を開く。
「特殊警察が俺たちに対して取ってくると考えられる提案は3つだ。1つ俺たちを問答無用で消しに来る。2つ俺たちに特殊警察に入るように言ってくる。3つ俺たちを国家公認の民間異能屋になるように言ってくる。この3つだ。」
これに対してメンバーたちは一様に首を振っている。
そして藤堂はこう続けた。
「そしてこれらの提案に対して俺たちが取る返答は、」
「「「「「「「「「「「「「NO!」」」」」」」」」」」」」
「その通り、俺たちは決して国のお抱えになったりはしない。俺たちには俺たちが成し遂げるべき目的がある。」
「もちろん承知しています。」
影山が代表するように藤堂の言葉に答える。
「影山、ゲートの準備を頼む。特殊警察本部に向かう。」
「承知しました。」
影山のが黒い扉を顕現させる。
「さぁ、出発しよう、俺達は俺達の目的のために。」
藤堂が扉に手を掛け、メンバー全員がそれに続くように扉の中へ消えていった。
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