ー”TRUMP”の実力ー
なんとか連日投稿できています。
体長10メートルはあるのではないかという、岩の体でできた巨人。所謂ゴーレムという魔物だ。
ゴーレムはその巨石のような腕を鏡に向けて振り抜こうとしていた。
「影山、武器出して。長めの刀がいい。」
鏡が影山に対してそう言うと、
「ゲートー宝物庫ー」
鏡の横に黒い扉が出現し、そこから長刀が姿を表す。鏡は長刀の柄を掴み、影山に礼を言う。
「サンキュー、影山。こいつであのデカブツ叩き切ってやる。」
鏡は長刀をを構え、異能を発動させる。
「アクセルー1速ー」
異能を発動させた鏡の体が熱くなり蒸気のようなものを体から発し始める。刹那、鏡は消えるようにしてゴーレムの背後に移動していた。
「私の異能はアクセル、簡単に言っちゃえば超高速で動くことができるの。」
背後に回った鏡をゴーレムは振り向いて攻撃しようとするが、鏡からすればゴーレムなど止まっているも同然であった。
鏡は高速で移動を続け、ゴーレムを翻弄する。
「そろそろ決めるわ。」
鏡はそう言うと、長刀をしっかりと握り直し姿勢を低く構える。
「アクセルー2速ー ”雷光一閃”」
その一言とともに、鏡が一瞬にして姿を消し、雷が落ちたかのように轟音が響くのと同時にゴーレムが真っ二つに切断される。
ゴーレムは断末魔を叫ぶ暇もなく一瞬のうちに絶命した。
「格下相手に少し本気出しすぎちゃったかしら。申し訳ないことしちゃったわねゴーレムさん。」
「遊び過ぎだぞ鏡。本来なら最初に背後を取った時点で決められたはずだ。」
「だって特殊警察ごときにあそこまで言われて腹が立ったんだもの、ボス。」
「ありゃーのせられたんだよ鏡。」
「ウソでしょ!」
「本当だ。」
鏡と藤堂はそんな軽口を叩いている。
「ー正直思っていた以上の実力だなぁ、こりゃー。」
藤堂の言ったとおり剛田は彼らを挑発して、”TRUMP”の実力を測ろうとしていたが
「ー出てきたものは予想の遥か上だったな。お偉いさんになんて報告するかねぇ。」
”TRUMP”の実力は特殊警察の予想していた遥か上をいっていたようだ。
「ー面倒なことにならんといいが。」
「12部隊撤収だ。」
剛田がそう号令をかけるとほか来ていた12部隊の隊員たちが撤収の準備を始めていく。
「JOKER、試すことようなことをして申し訳なかった。正直あなた達の力は我々の想像以上だったよ。面倒なことにならないようにするつもりだが、迷惑かけることになるかもしれない。」
「我々もいずれ特殊警察の方とは接触することになるだろうとは思っていましたから。あなたのような話の分かりそうな人に最初に接触できたのはこちらとしても好都合だ。」
「そう言ってもらえると助かる。ではまた合うこともあるだろう。」
そう言うと剛田は、部隊を連れて撤収していった。
「面倒なことね。そうならないことを祈ろう。」
そう言うと藤堂も影山に撤収の支持をだし、ゲートで拠点へと帰っていった。
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