ー邂逅ー
面白いと思っていただけたら嬉しいです。
新宿での魔物発生から3日が経った頃、再び魔物の出現が確認された。
そして魔物発生の知らせは、”TRUMP”と特殊警察両方にほぼ同じタイミングで届いていた。
ーー”TRUMP”拠点ーー
「ボス、東京都目黒区で魔物の発生が確認されました。」
「影山、ゲートの用意をしろ。凛、約束の討伐だ準備しろ。」
「もう出来てる」
各人が魔物討伐の準備を終える。
「ゲート」
影山が唱えると、黒い扉が出現し、藤堂がそれを開いて中へと入ってく。それに続くように影山、鏡の両名も扉の中へと消えていった。
”TRUMP”のメンバーがゲートを使い目黒に到着したのとほぼ当時に特殊警察も現場に到着していた。
「ボス、特殊警察の奴らがいますよどうしますか?ここは彼らに任せて私達は引き上げましょうか。」
影山がそんなことを言っていると、”TRUMP”の存在に気がついた特殊警察がこちらに向かって来る。
「君たちがここのところ魔物討伐で名をあげているという”TRUMP”か。」
「あなたは?」
藤堂がそう聞き返す。
「これは失礼、私は特殊警察第12部隊隊長の剛田というものだ。よろしく。」
そう言って剛田は握手を求めてくる。
「あなたの仰った通り、我々は異能屋”TRUMP”で間違いない。俺はそこのリーダーを努めている。JOKERとでも呼んでくれ。」
藤堂は自らのコードネームで名乗ると、剛田が求めてきた握手に応じる。
「俺たちも魔物討伐にやってきたが、特殊警察さんがきたらな俺たちは帰るとするよ。」
藤堂が剛田にそう告げると、剛田はちょっと待てとストップを掛けてくる。
「勝手に帰ってもらっては困る。上に方から、もし現場で”TRUMP”に遭遇したら、実力の程を確かめてこいと言われてるんだ。」
「俺たちがその願いを叶える義務はないと思うが。」
「なに、どうせ民間の異能屋なんだ、大した期待はしてないよ。自分たちの実力の程を晒すのが嫌なら帰ってもらっても構わんよ。」
剛田はあからさまな挑発を仕掛けてきた。
藤堂は挑発には乗らず、さっさと帰ろうとしたが、簡単に挑発に乗ってしまう人間を連れてきているのを忘れていた。
「ちょっと待ちなさいよ!私達が大したことないとでも言いたいの!」
「いいわ!私が一瞬で終わらせてやる!いいでしょボス!」
藤堂は頭に手を乗せ、鏡がいた事を思い出していたが、こうなった鏡が引かないこともわかっていた。
「わかった。今回はやらせてやるって約束もしてたしな。一瞬で終わらせてこい。」
「やりーー!一瞬で終わらせてやる。」
そう言うと鏡は魔物の方に向き直り、静かに異能を顕現させていく。