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洞窟探検者の欠片(少女編)  作者: 何かを探す旅人
第零章 ソフィーの過去(回想)
6/10

[5]手描きの地図 6/5更新予定

ここから先は編集中の為、更新をお待ち下さい。

 私達が倉庫と呼ぶその部屋は、孤児院で使う道具をしまうだけの教室のことだった。


段ボールが無造作においてあるその部屋は、孤児院の先生でさえ滅多に入らず、二人きりで話すには丁度よい部屋だった。



 私達は倉庫に入り、窓際に置いてある机に座った。


埃が舞うこの部屋は、いつもの教室とは異なる匂いがした。


 私はどう話し出すか少し迷って、ノアの方を見た。


ノアは私の事を静かに見守っていた。


窓の外は、小さな雲が連なり日射しが私を照らしている。


私はポケットの中にしまっていた手紙を持って、そっとノアの前に差し出した。


 「これ。先生から貰ったんだ。」


 ノアは封筒を受け取り視線を返し、口を開いた。


 「封筒の中も見ていいかな。」


 「うん、いいよ。」


 ノアは手紙を取り出し、手紙を読み出した。


私は手紙を読むノアの顔を覗き込んだ。


いつも私達に見せる笑顔は次第に消えて、次第に目が潤んでいた。


手紙が読み終わる頃、ノアは上を見上げてこう言った。


 「よかったなぁ。」


 しみじみと言うノアを見て私は気がついた。


きっとこの言葉が欲しかったのだと。


 そして私はもう一つ、ノアに尋ねたい事があった。


あの手紙に書いてある〝穴〟という文字。


きっとこれは洞窟探検者に関する事だろうと考えていた。


洞窟探検者になったノアは知っているかも知れないと思って、私は手紙の〝穴〟の文字を指して尋ねた。


 「これって洞窟の事?」


 「うーん」とノアは悩む。


 「多分そうかも知れないかな。僕も洞窟探検者になったばかりで分からない。」


 期待外れの答えで私は少し落胆した。


そんな私を励まそうとノアは慌てて口を開いた。


 「洞窟の中に入ったら、きっと手紙の意味が分かると思うよ。」


 「そうだね。」


 私も洞窟に入ったら、手紙の意味が分かる気がした。


そして私は何よりそうであって欲しいと強く願っていた。

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