プロローグ
どうも初めましてクローシュです。
今まで読み専だったのですが、この度、書く方にも手を出してみることにしました。
設定がまとまっていない上に拙い文章ですがどうぞお付き合いください。
陽光が差し込む部屋の中に二人の少女がいた。
片や活発そうな印象を受ける赤髪の少女、片や儚げな印象を受ける銀髪の少女。
そんな二人の足元には魔法陣とでもいうべきモノが光り輝き、その光は二人を包もうとしていた。正確には赤髪の少女を中心に魔法陣が広まっていることから、銀髪の少女が巻き込まれているといった様子だ。
それはとても幻想的な光景、アニメや小説といった物語の始まりのような光景。
数多くある物語の主人公たちの様に異世界へと召喚されようとしている少女たちは光の中に消えて・・・
消えて・・・
「召喚されてたまるか、頼んだルナ」
「了解した・・・シンクはあげない」
消えていかなかった。
ルナと呼ばれた銀髪の少女が指を鳴らすと同時に魔法陣は光を失い霧散していったのだ。
本来なら別の世界にでも召喚されてその世界を救うなり何なりする物語が始まっていたのだろう。しかしそうはならなかった。
これが物語なら始まりとしては既に破綻している。
しかし少女たちは物語の始まりをぶち壊したことなど気にも留めない。
「ありがとルナ」
「ん、応答拒否しておいた」
「召喚魔法って応答拒否とかできるんだな」
「シンクと召喚式との間にあるリンクを切った」
「へー、にしても異世界から来た私が異世界召喚されそうになるなんてな」
「・・・シンクは勇者だから召喚は付き物」
「元勇者だろ元魔王のルフスルナ様。ところで誰が召喚なんてしようとしたんだろうね?」
「知らない」
元勇者と元魔王、お互いにそう呼びあったシンクとルナは何事もなかったかのように会話を続けていく。
「うーん、思い当たる節があるような気がするけどまあいいか・・・さて、そろそろ遊びに行こうルナ」
「ん、シンクとデート」
淡々と、しかしどこか嬉しそうにルナが言う。
「女同士でデートも何もないだろうに・・・」
こう言うもののシンクは照れているのだろう、その証拠に頬を朱く染めている。
「あなたは元々男」
そうルナの言う通りシンクは元々男なのだ。今はどこからどう見ても美少女といった様相だが、少なくとも三年前までは青年であったのだ。
「今ではもう女のつもりだ・・・多分」
そんな会話を繰り広げながら少女たちは部屋を出る。出かけるには最適な晴れ晴れとした日、2人が目指す場所はそうゲームセンター。
この物語はファンタジーあふれる世界から便利な現代にやってきて日本の娯楽文化にどっぷりつかった元男で現女のTS勇者シンクと魔王の少女ルフスルナが異世界(少女たちにとっての元の世界)からの召喚に応じず現代生活を楽しむ物語だ。
勇者シンクが男であった頃や性別が変わってしまった理由、魔王ルフスルナと現代にやってくることになった事件についてはいずれ語られるであろう・・・思いつき次第。
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「失敗したわ、シンクのもとに繋がっていたリンクが途中で切れて召喚魔法が中断されるなんて」
「残念だが仕方ない、こことは別の世界にいるようだからね不安定なのだろう。ひとまず召喚魔法が作用したことでシンクの生存が確認されただけ良しとしようじゃないか」
「そうね、ここまで来るのに三年もかかったわ、その間シンクが生きているかどうかさえ分からなくて不安だった。でも生きていることが分かった、だったら早急にリンクを繋ぎなおして連れ戻さなきゃ」
「ああ、とっとと連れ戻して一発ぶん殴ってやろう、魔王を道連れに時空の歪なんかに突っ込んだあのバカを」
「約束したからね、時空の歪に吸い込まれていく彼に絶対に見つけだすから待っていてって。だから何があろうと絶対に取り戻すんだ僕たちの勇者シンクを」
勇者シンクと冒険を共にしてきた仲間たちはシンクを取り戻すという決意を固める。
だが彼らは知らない勇者シンクが日本文化にどっぷりつかっており、今の生活を手放したくないために召喚に応じなかったことを、性別が変わってしまっていることを、そして敵対していたはずの魔王ルフスルナと今現在仲良くデートをしていることも・・・
これらのことが彼女らの物語にどのような影響を与えるのか、知る者はいない。
プロローグの段階で既に文章力のなさが露呈したことと思いますが、それでも良いという方は今後もお付き合いいただけると嬉しいです。