第4話 公式戦突破せよ その1
いよいよ公式戦が始まる。一撃たちの思いは?
いよいよ公式戦。
「戦車部もいよいよ一回戦か」
「堺堀に練習で勝ったんだろ?」
「すげえ」
「準決勝行った堺堀をかよ」
「でも練習だろ?」
「どうせ公式は1回戦負けだよ」
「やってみなきゃな」
クラスでも学食でも噂になりだした。
「チアダンス部も応援してくれるってさ」
「おお、ありがたい」
「まあ城山くんにはもっと強い応援団がいるだろうけど」
「え!?そ、そりゃ…」
守と千春の顔が赤い。
「や、やっぱバレてました?」
「うん」
「どーゆーことですか?」
「オタサーの王子ってやつさ」
「つまりはハーレム状態ってことだ」
晴がニヤニヤしながら突っ込んだ。
「おお、それで戦車部の練習ないときは歴史部のだべり大会に参加してたのか」
「ま、僕も人のことは言えないけど」
「68期は女だらけ、69期は雪乃さん1人、70期はまた女多数」
「分かりやすい」
「この調子だと70期の歴史部長は真下さん?」
「いや、私より、利根さんのほうが」
「まあ、私でやれそうなら」
黒髪で2本おさげ、真面目なお嬢さんが返事する。
利根つばさ、8組の学級委員長にして歴史部員だ。
「で、左馬くんは私に絞り込んだってわけかな」
清井さんが入ってきた。
「まあ、そういうわけで、はい」
「戦車部、がんばってね」
部室のエスプレッソマシンがピーピー音を鳴らす。
「清井さん、雪乃さん、戦車部特製のドッピオですよ」
帰り道。
「へえ、みんな気づいてるよね」
「まあ、言わずもがなだよ」
「あいつ、わざわざチャリ通やめてバルジと電車乗ってるし」
「千春ちゃん趣味合うしね」
「この前の日帰り旅行、2人と仲良く写真撮ってばっかりで」
「琴音くんには紺野さんいるし、大島くんと駆くんには追っかけ多数」
「だな」
「で、狙くんは?」
分かってるくせに、と言いたげな顔でこっちを見てきた。
「そのうちできるかもな」
準備に余年ない一撃、晴。そのときに見えるもの。




