表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エルフは言霊に希う  作者: 望月うさぎ
壱ノ章 「いってきます。」
15/28

其の拾 弐ノ業間 魔力増強の日々

書く時間が足りない...書かないと見捨てられる...

...読んでくれてるいる方、ありがとうございます。

お昼を食べた後、クインさんとまたクインさんの部屋に集まった。魔力の増強と言ってもそんなに大きな魔法は使わないだろう、と言うことで誰にも見られないクインさんの部屋を選んだ。


「さて...と。訓練って言ったって何しましょうか。」


『考えてなかったんですか?』


「うるさいわね...あんなものは流れよ。流れ。これから二人で考えればいいのよ。」


『あ...はい。とりあえず今のランクを確認してみますか。』


最近はたまにしか魔法を使わないので恐らく上がってないだろうが、改めて確信することでモチベーションになるはずだ。

持ってきたチェッカーに魔力を流す。

【あなたの魔力量はB+です。】

【あなたの魔力量はA+です。】


...目が合った。...と言うか睨まれた。

突然クインさんが身を屈めてわたしに突進してきた。服を摘んだまま前後に揺さぶられる。凄く力が強い...


「どうして!こんな!小さくて細い体に!そんなに魔力が詰まってるのよぉ!」


『そんなことっ...いわれてもっ...』


...揺らぶられる度に思考が飛ぶ。漢字にさえならなかった。


『ちょっ...ちょっとすとっ...』


「えっ?あっ...」


急に止められたせいで揺られた脳が限界を迎えて意識が飛んだ。




>>>>>>>>>>>>>>>




「...ごめんなさい。取り乱したわ...。」


クインさん曰く気絶していたのは2、3分程らしい。


『わたし...は...なんかごめんなさい...』


「本当にごめんなさい...死んでもおかしくなかったわ...。」


『...え?いや流石にそんなに柔くはないと』


「私...鬼の血を引いてるのよ。たまに制御が効かなくなって...」


へぇ。鬼か。そりゃあ力も強いはずで.......え?


『鬼!?』


「ええ。男の方に濃く受け継がれるからお兄様が強く受け継いで、私の方はほとんど人だけれど。」



沈黙。



『魔法の...訓練...しましょうか。』


とりあえず落ち着こう。話は後からでも出来る。そう。きっと。


「え...ええ...。」


...魔法の訓練に...なるのだろうか。


『ではとりあえず、この場で出来そうな魔法を考えましょう。』


「思いつくのは先生のやってた自己強化系かしら。」


『では少しやってみますか。』


“この場に在る精霊の力よ。『私に纏い』、『その力を固め』、『我が身を守る盾となり、鎧となれ』。《アーマー》”


唱え終わると、身体が何かに覆われている感覚。

無事に出来たらしい。


「ーーー《アーマー》!」


隣を見るとクインさんも詠唱が終わり一瞬身体が青紫色に覆われてスグに消えた。無事出来たらしい。


「これですぐ解除してもう1回、かしらね。」


『地道に、ですね。』


それからしばらくの間、クインさんの部屋には青紫色の光が瞬いていた。



>>>>>>>>>>>>>>>>>



その後の授業で次の過程に進む前に魔力量を上げる間を開ける、とジャス先生が言ったので授業中、放課後とクインさんと一緒に魔力量を上げていた。

最初は自己強化系の魔法を使っていたが、命令をより詳しく、より複雑にしてゆく事で効果を高めるという言葉を聞き、一日だけ訓練場を貸し切らせて貰いふたりで自分の一番派手な魔法を使って見ようということになり、クインさんはキラキラと輝く氷の舞を見せてくれた。

わたしは入学試験の際にやった花火を言霊の力を借りずに再現して見ることにした。


もちろん倒れた。しかも闇が深くなく、少し訓練場の壁か見えていたので魔法としても不完全だった。言霊の力の大きさを改めて感じた。


それからクインさんの部屋で自己強化系の魔法、たまに訓練場を取れれば好きな魔法を難しくして魔力量を増やそうとして行った。

二つの方法が出来たことで気になったのはやはりどちらが良い方法なのか、ということだ。

なのである日、思いついて魔法を作ってみる。


“精霊よ、『その姿をもって』、『我が力を示せ』わたしが(・・・・)理解できる(・・・・・)形で(・・) 《パワーチェック》”


すると、目の前に正六角形の半透明なパラメータチャートが現れた。

上から反時計回りに体力、筋力、防力、魔力、魔力量、抗魔力、と書かれていて青色で分布が示されている。。

これによると、魔力量は魔力とは別として表されている。魔力が別になっているということは、魔力によってその人が出せる魔法の出力も変わる、ということだろうか。また、全ての力は魔力量と同じくE、D、C、B、A、Sとランク付けされているようだ。

わたしの力は、このパラメータによると、体力がC、筋力がE+、防力がD-、魔力がS+、魔力量がS-、抗魔力がA+、となっていた。魔法関連が軒並み高いが体力も筋力もない。いかにもな魔法タイプだった。


この状態で何時もの自己強化系を使ってみると、防力の欄が光り、黄色で分布の量が増える。見ると表示がA+まで上がっていた。アーマーの効果まで反映されるらしい。

魔力量も訓練初めはA+だったはずなので、増えているらしい。それでも一つしか上がっていないのを見るとやはりSは半端では無いのか。



その日はこの魔法を発動させたままクインさんと訓練をした。

終わってみると、心做しか魔力量の欄が増えている...気がする。先は長そうだ。


クインさんにも魔法の事を話して掛けて見ると、

体力A+、筋力S+、防力A、魔力C-、魔力量A-、抗魔力Bだった。全体的に高い。また鬼の話ではないが、本当に筋力が高い。わたしのパラメータを教えると、「S+があってまだSがあるなんて意味わからないわ!」と言っていた。体力と筋力が低すぎるのでクインさんの方がすごいと思うが。


訓練棟で大きな魔法を撃つ方だと、わずかだが増えたのが分かる程度の変化があった。乱発は出来ないので、効率的にはあまり変わらないかも知れない。



>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>



それから元の世界で換算して1週間程たった頃、ジャス先生が次の授業から新しい行程に入ると告げられ、ここまでの魔力量を測っていった。

自信に満ちたクインさんの顔。続いてわたし。

【あなたの魔力量は、A+です。】

【あなたの魔力量は、S+です。】



ーーークラスがしばらく静寂に包まれた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ