05:00
外はまだ暗い午前五時。
点いたままのテレビによってようやく部屋の中が見てとれる。どうやらワンルームのようだ。
窓の近くにあるベッド。そこに丸まった掛布団がもぞもぞと動いている。
包まれているものは果たして―――。
暫くすると二本の脚が布団からぐぐぐと突き出した。
続いて、掛布団を押し退けて頭と腕が出てくる。
うっと少し呻く。起き抜けに寒さと、頭痛が襲ってきたのだから無理もない。
冬のこの時間はどうしても寒い。
まだ寝ていたいのだが、気分の悪さにもう一度寝ようとは思えなかった。
むくりと上体を起こし、まだ重い瞼をこする。目を開き、自分がベッドで寝ていることを確認する。
昨夜は酒をたらふく飲んでいたため、ベッドへ辿り着くまでの過程がうっすらであった。
鈍い痛みを抱える頭を右手でさすりながら、立ち上がるとすぐに冷蔵庫へ向かう。眠気と昨日から持ち越した酔いに対抗するには飲み物が必要だ。
のそりのそりと歩き冷蔵庫に辿り着いた。その場で力が抜けたように座り込み、冷蔵庫のドアに手を掛ける。
冷蔵庫はもともと自炊する習慣がほとんどなく、入れる物も限られているため小さめのものを買った。
2ドアタイプのもので上に冷凍、下に冷蔵といった仕様だ。
冷蔵庫を開ける。
庫内を暫くの間眺め、置いてあったミネラルウォーターのボトルを取り出すと、その場で一口飲んだ。
口から胃へ、そこからじわりと滲み出すように冷たさが広がっていく。
それは、冬の朝方、肌にぴたりと張り付く冷気とは異なり、重く深く体を冷した。