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極寒  作者: 吉野了
1/1

05:00

外はまだ暗い午前五時。


点いたままのテレビによってようやく部屋の中が見てとれる。どうやらワンルームのようだ。


窓の近くにあるベッド。そこに丸まった掛布団がもぞもぞと動いている。


包まれているものは果たして―――。


暫くすると二本の脚が布団からぐぐぐと突き出した。


続いて、掛布団を押し退けて頭と腕が出てくる。


うっと少し呻く。起き抜けに寒さと、頭痛が襲ってきたのだから無理もない。


冬のこの時間はどうしても寒い。


まだ寝ていたいのだが、気分の悪さにもう一度寝ようとは思えなかった。


むくりと上体を起こし、まだ重い瞼をこする。目を開き、自分がベッドで寝ていることを確認する。


昨夜は酒をたらふく飲んでいたため、ベッドへ辿り着くまでの過程がうっすらであった。


鈍い痛みを抱える頭を右手でさすりながら、立ち上がるとすぐに冷蔵庫へ向かう。眠気と昨日から持ち越した酔いに対抗するには飲み物が必要だ。


のそりのそりと歩き冷蔵庫に辿り着いた。その場で力が抜けたように座り込み、冷蔵庫のドアに手を掛ける。


冷蔵庫はもともと自炊する習慣がほとんどなく、入れる物も限られているため小さめのものを買った。


2ドアタイプのもので上に冷凍、下に冷蔵といった仕様だ。


冷蔵庫を開ける。


庫内を暫くの間眺め、置いてあったミネラルウォーターのボトルを取り出すと、その場で一口飲んだ。


口から胃へ、そこからじわりと滲み出すように冷たさが広がっていく。


それは、冬の朝方、肌にぴたりと張り付く冷気とは異なり、重く深く体を冷した。


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