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距離
高校2年生の春から夏に変わる頃。
私の通っている学校は家から近く、その学校の中で一応特進と呼ばれるコースに通う私はまっすぐ家に帰れば5時前には帰宅する。
私は制服から私服に着替え、愛犬であるミルクの散歩へ行く。
私はいつもの散歩コースを歩く。
いつもの横断歩道を渡って
いつもと同じ川沿いを歩いて
少し広い道路の歩道を歩く。
そんな中でも春から夏への変化は感じられる。
春に咲いていた花は枯れつつあるし
日も長くなってきている
あとは…風が温かくなってきたなぁ。
そんな事を思って景色を見ていると
前から自転車が来た。
ミルクを少し端によせて
前からきた自転車を確認する。
あ…あれは…
前からきた君と目が合う
君は部活帰りかな?
まだ陸上を続けているということは噂で知っている。
お互い"久しぶり"も"おう"と声をかけることもなく
ただ見つめ合う
そして何事もなかったようにすれ違う
そっかぁ。私と君はもう何の関わりもないんだね。
仲良かったことも
私が君を好きだったことも…